山を歩いたり自然の中に身を置くことが好きな人に参考となるような情報を発信いたします。

伊豆大島ツアー(2017.12.13-14)2日目

1日目の夜は雲が広がってくるとの予報でしたので、夕食前に流星群を見ることにしました。

泊まった温泉ホテルは、星空を眺めたいというお客様にとても親切な対応をしていただけるところで、屋上を開放して足元にランタンを置いて暗がりでも歩けるようにしてくれたり、屋外の照明を消したりしてくれました。こんなホテルは初めてです。

しかし極大まで間がありすぎたのと輻射点がまだ地平線の下だったので、ほとんど飛びませんでした。

やむを得ず、朝早く起きて観察することにしました。

それでも露天風呂に入浴中に流星を見るという、とてもラッキーな人もいらっしゃいました。

未明の4:30に屋上に上がってみると、雲がそれなりに出ていましたが、その隙間から素晴らしい天体ショーが見られました。

ご参加された方は半分くらいでしたが、とても冷たい風が吹く寒い屋上で、とても明るいもの、2連発など、ふたご座流星群を十分楽しむことができました。

明るくなって三原山を見てビックリ。

冠雪した三原山

白い雲がかかっていると思ったら何と積雪でした。まさか白い三原山を見られるとは思っていなかったのでとても嬉しいです。

やはり夕食後にお天気が悪化して雪が降ったのですね。ホテルの前にもわずかに雪が残っていました。


さて2日目は島内のジオサイト巡りです。まずは島の南西側の地層切断面に向かいます。

バウムクーヘン

バウムクーヘンと呼ばれる地層がむき出しになっている所に着きました。それにしても見事な層構造です。

これは地層が褶曲してできたのではなく、始めから凹凸があった地形に、何回も何回も火山噴出物が降り積もって層構造ができたのです。バウムクーヘンを作るときに何度も何度も液を塗ってから火に掛けるのを、火山が行ったのですね。

2日目は1日目よりさらにお天気が良くて

利島と新島、神津島

三角形の利島、台形の新島、中間にあって階段状の神津島、など不思議な幾何学模様をした島々がはっきりと見られます。

どうしてこんな形になったのか実に不思議です。

左の方には三宅島と御蔵島も遠望することができました。見られなかったのは八丈島だけです。

ここから海塩を作っている製造工場まで見学に行きました。

塩工場

昔ながらのやり方で海水をくみ上げ、面的に日光に当てて濃縮した後、

やぐら

やぐらに水を持ち上げて何段もの段数に渡って海水を落とし、日光と風でさらに濃縮させている現場です。

この後は少し離れたところにある別の工場で

結晶化した塩

天日干しをして結晶化させていきます。このハウスの中で撹拌作業を行って成分を均一化するのですが、夏には60℃にもなる過酷な作業だそうです。

こんな風にしてミネラルたっぷりの天然の塩が生産されているのです。

なめさせてもらったらとても美味しい塩でした。

手間暇かけて作られた塩は、工業的に作られた塩化ナトリウム99%以上の塩とは全く別物なのです。


工場からさらに下っていくと

黒い砂浜

砂浜に出ました。ここは真っ黒い砂浜です! 

波が削った地形
砂浜の陸側には流れ下ってきた溶岩の末端があり、それが波に浸食された美しい層構造がとても印象的な火山らしい景観でした。

再びバスに乗り、今度は鎮守の森を訪れます。

巨木の森

砂地の不安定なところに根付いたスダジイ、タブノキ、オオシマザクラなどの見事な巨木の森を進んでいくと

薬師堂

薬師堂に到着しました。

ここには観音様が祀られています。最近の噴火の影響を受けなかったのか、またはそういう場所に作られたのか、本当に素晴らしい森の中にあり、空を見上げてみると

ジグソーパズル

樹冠がジグソーパズルのように隙間無く埋め尽くされていました。

昼食後の食休みに元町の中を少し探検。

椿油工場

ここは椿の実から油を絞っている工場です。あいにくこの日は稼働していませんでしたが、100年も動いている年期ある機械を見学し、工場の主から貴重な話を聞くことが出来ました。

次は最後の訪問地、笠松の海浜植物群落を訪れました。

海浜植物の観察

ここも溶岩が流れ下り崖を形成していますが、その間や上から植物が生えて空間を埋めていました。

イソギクやタイトゴメ、マルバアキグミなどの他、

オオシマハイネズ群落

オオシマハイネズという針葉樹が絨毯のように這い回っている不思議な場所でした。

再び岡田港に出て

大島を離れる

大島を離れるときがやって来ました。

2日間、お天気に恵まれたことは幸運でしたが、西谷さんのおかげで、現地の人もあまりご存知ないような普通の観光では行かない場所に連れて行っていただいたり、度重なる噴火を上手に乗り切ってきた島民の知恵を教えていただいたり、火山という厳しい環境を生き抜く植物の姿を詳しく見せていただきました。これによりこのツアーがより楽しく充実したものになりました。

西谷さん、2日間ありがとうございました。

そして皆さま、ご参加いただきありがとうございました。


PS. 西谷さんもご自身のお店のブログにアップされています。こちらも是非ご覧下さい。







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伊豆大島ツアー(2017.12.13-14)1日目

伊豆大島は東京の竹芝桟橋から高速船で1時間45分乗船すると到着する、伊豆七島では最も大きい島です。

今回はふたご座流星群の極大に合わせて、2日間のツアーに行ってきました。

まずは1日目です。

岡田港到着

大島には乗り入れ可能な港が2つあり、天候により使い分けています。

今回は元町港ではなく岡田港に寄港しました。

晴れていますが西よりの風が冷たいです。

岡田港からは路線バスで三原山の山頂口バス停までやって来ました。

山頂口

ここからは三原山と巨大なカルデラの全貌が眺められます。2年前のツアーでは霧で何も見えなかったのですが、今回はよく見えて最高です。

西谷ガイドの解説

今回のツアーでは2日間とも現地で活動しているグローバルネイチャークラブの西谷さんから案内をしていただきます。

西谷さんは大島が日本ジオパークとして指定され、その後の普及などの活動でも中心的な役割をされているジオパークガイドでもあります。

31年前に三原山が噴火したときの様子を写真で紹介され、みなさんは現在の状況とを見比べてその変貌ぶりをご覧になっていました。

さていよいよ三原山に向かってカルデラ内を進みます。

三原山ができる前、今から1700年前に大爆発が起きてできた大きなカルデラ内はとても平坦で、ハチジョウススキやハチジョウイタドリなどの草と

オオバヤシャブシ

このオオバヤシャブシやハチジョウイヌツゲなどの低木が群落を作っています。

そして西暦1777年にこのカルデラ内の大爆発で三原山が誕生しました。

その後も小規模な噴火が繰り返し起きて

31年前の溶岩の末端

31年前に起きた最後の噴火で流れ下った溶岩が黒い筋として残っています。

大島は玄武岩質の火山からなり溶岩は真っ黒なのです。

真っ黒い溶岩の流れた跡

この黒い塊は溶岩が冷えて固まったときの形がそのまま残っています。

真ん中から割れてその間からドロドロ流れてきた様子が手に取るようにわかりますね。

その溶岩流の末端に登ってみました。

塊を持ち上げてみるととても軽いです。冷えて固まるときに空気が抜けて穴だらけとなっているからです。

溶岩の前で解説

そんな栄養の全くないように見えるところからもハチジョウススキやハチジョウイタドリが芽生えて群落を作っています。

西谷さんはそういう時の流れと植物のたくましさをとてもわかりやすく解説してくれました。

この後はさらに登って火口を一周するお鉢めぐりの始まりです。

ゴジラ

この写真はゴジラに似ているということで紹介されている溶岩です。

溶岩が冷えて固まったときに様々な形となって残っているのを、何かに連想するととても親近感が涌きますね。

やや強めの風が吹き寒いですが眺めは最高で、眼下のカルデラの他、

利島と新島

伊豆七島の利島、新島、神津島などがお日様の光でキラキラ輝く太平洋の中で浮かんで見えました。

噴火口

巨大な噴火口をのぞける場所にやって来ました。

噴火口を覗く

深さが60階建てビル相当だとか。スケールが大きすぎてそんな感じには見えません。

最高峰・剣ヶ峰の山頂を踏み

下山開始

下山開始します。

ザクザク火山灰の中を歩いたり、ゴロゴロのスコリアの中を転ばないように注意して歩いたり。

白い煙は火山性ガスではなく水蒸気なので吸っても安心。寒い日には暖かくて気持ちよく感じられました。

さらに下っていくと今までとは違う景観が広がっています。

裏砂漠の散策

溶岩が流れた跡はなく、広く火山灰の斜面が広がっていて、裏砂漠と呼ばれています。

大島では南西から風が吹くことが多いそうで、北東側の斜面に火山灰が降り積もって砂漠のような景観が見られるのだそうです。

そんな中を気ままに散策し、

寝そべったりシャボン玉遊び

丘の上で寝そべったりシャボン玉遊びをしたりして時を過ごし、さらにホテルに向かってカルデラを下ります。

お祈りする犬

ふたたび溶岩地帯に戻りました。

ここは31日年前に山頂より下から割れ目噴火して流れ下った溶岩です。

犬がお祈りしているような姿に見えますか?

下っていくと再びオオバヤシャブシやハチジョウイヌツゲの群落となり、さらにその下には

樹海探検

ハチジョウイヌツゲなどが高木を形成する樹海となり、その中を探検しました。これもなかなか楽しい経験でした。

噴火の歴史・状況と復活する植生。この2つの関係は詳しい人から教えていただくととても面白いものです。

日が沈む頃、ホテルに到着し、無事1日目が終了しました。


今倉山から二十六夜山ツアー(2017,11,16)

11月も後半となり、紅葉は終盤となってきました。

16日に都留と道志の境にある今倉山から二十六夜山を通って、都留の芭蕉月待ちの湯まで降りる、少々長いコースを歩くツアーに行っていました。

登山開始

道坂トンネルの手前から登り始めます。トンネルの向こうは道志村になります。

名残の紅葉

標高1000mを少し越えるこの辺りでは、まだ紅葉が残っていました。

しばらく行くと

稜線到着

稜線に出ます。ここは道志の最高峰、御正体山から今倉山に通じる尾根の一角です。

ここからはやや急な尾根歩きが続きます。

紅葉斜面を登る

オオモミジやハウチワカエデが残る斜面は、日当たりが良くてとても暖かいです。

この日は気温が上がらず寒くなると言われていましたが、幸いなことに風がなく日当たりが良かったので、風下側ではポカポカと暖かい日和でした。

振り返れば遠くに

神山と噴煙

箱根の神山と大涌谷の噴煙がハッキリと見え、地吹雪舞う富士山も御正体山の上に被さるように見えていました。

今倉山

今倉山に到着しました。三角点にタッチです。

ここは眺めが良くないので更に進みます。

アップダウンを繰り返しながら進むと

赤岩への稜線

眺めの良いところに出てきました。

富士山、御正体山だけでなく杓子山、三ッ峠山などの山々を見ながらの縦走はとても気持ちがよいです。

そして大展望台の

赤岩にてランチ

赤岩(松山)に到着し、ここでランチです。

先着パーティがいましたが、大挙して合流させていただきました。

ここは本当に申し分ない眺めで、雲取山や大岳山など奥多摩の山々、八ヶ岳や金峰山・茅ヶ岳、白銀の南アルプス、大菩薩の山々、箱根から天城方面、そして丹沢と360度のパノラマを満喫できました。

食後は二十六夜山に向かいます。

ブナ巨木

この山の稜線にはブナやミズナラの巨木がいたるところにあり、林がとても美しいです。紅葉が終わって見通しが良くなり、日差しがあるととても暖かいです。

赤岩から1時間強で月待ち信仰の舞台となった

二十六夜山

二十六夜山に着きました。

その昔はどんな風に二十六夜の月待ちをしたのでしょうか。興味深いところです。

二十六夜山からは

急斜面を下る

落ち葉が厚く堆積した急斜面を下っていきます。落ち葉が滑るだけでなく落ち葉の下にある石ころや木の枝が見えないので、おそるおそる下っていきます。

尾根から沢へ降りて沢沿いを進み、

最後の渡渉

丸木橋を渡ってさらに下っていき、

芭蕉月待ちの湯

登山開始から6時間でゴールの芭蕉月待ちの湯に無事下山しました。

下りの累積標高差が1100mある、歩き応えのあるコースでした。

ご参加された皆さま、大変ご苦労さまでした。

ご参加いただきありがとうございました。

越前岳ツアー(2017.11.7)

富士山の南部、沼津市との間にふたこぶらくだのような形をした山並みがあります。

愛鷹連峰といい、最高峰越前岳とその次に高い位牌岳がその「こぶ」を形成しています。

今回は北側にある最高峰越前岳(1504m)に登るツアーに行ってきました。

登山開始

十里木高原の駐車場から登山開始です。

ススキ原の階段

ススキ原の中に階段が一直線に続いていて、鉄塔まで登ると傾斜はなだらかとなり、さらに一登りすると

見晴台にて

馬の背見晴台に着きます。富士山が素晴らしい眺めで、

見晴台からの富士

凄い迫力です。

越前岳が見えた

越前岳の山頂も見えてきました。

ここからは樹林帯となり、岩場も混じる急登です。

林床には

ミヤマシキミ

ミヤマシキミの実がたくさん。急登のあとは

えぐれた道

えぐれた道が幾筋もあり、どこを歩いたらいいか探すのが大変。

しだいに雲がかかってきて風もやや強くなり、少し肌寒くなってきた頃

越前岳山頂

越前岳の山頂に到着しました。数パーティと一緒に昼ご飯です。

雲や霧で展望がないのが残念。短時間で下山開始します。

富士見台

ここは富士見台。昭和13年に発行された五十銭紙幣に描かれた富士山の図案となった場所です。ここでも残念ながら見えません。

紅葉はもう終盤でしたが、降りて来るに連れて

コミネカエデ

真っ赤なコミネカエデが華やかでした。

鋸岳展望台にて

鋸山展望台は南側の位牌岳や鋸岳がよく見える場所ですが、ここでも残念です。

ぐんぐん下ると

富士見峠

富士見峠に到着。お客様が集めてくれた落ち葉を並べてみました。

落ち葉並べ

コミネカエデ、ウリハダカエデ、カジカエデ、コハウチワカエデがそれぞれ色の違いがあってきれいです。この他にもハウチワカエデ、イタヤカエデ、ウリカエデなども見ることができました。

ここから稜線を離れ沢沿いを下っていきます。

山神社

山神社で安全登山のお礼を言い、

ゴール

鳥居をくぐってゴールの山神社入口まで下山しました。

山頂や富士見台からは展望が利きませんでしたが、登る途中でばっちりと富士山を見ることができました。

ご参加された皆さま、大変ご苦労さまでした。

そしてご参加頂きありがとうございました。

笠丸山ツアー(2017.10.31)

今年の10月はお天気に恵まれませんでしたが、31日のツアーは願ってもないお天気となりました。

西上州には小さい岩山がたくさんあり、上野村にあるその1つ笠丸山に行ってきました。

登山開始

スーパー林道に登山口があり、ここから登山開始します。

沢沿いを進む

沢沿いのコースを登っていきます。

マムシグサ

マムシグサがあちこちで赤い実を付けていて目立ちました。

1時間ほどで地蔵峠到着。お地蔵さんが安置されているのは

コナラ巨木

立派なコナラ巨木の根元です。

今年はドングリが豊作で

ドングリは豊作

ミズナラドングリがたくさん落ちていて、踏んで転んでしまいそうです(笑)。

「ややっ!」 あれは何だ!

山頂が見えた

樹林の間に天を突くような鋭峰が!

そう、あれば笠丸山なのです。 「みんなであそこに登るんですよ」と言っても、みなさん半信半疑です。

でも・・・

山頂が近い

山頂がだんだん近づいてきました。

急登

ところどころでロープが張ってある急登があり、ちょっと振り返ると

ツツジの紅葉

アカヤシオやサラサドウダンが真っ赤に色づいている岩場とブナ、ミズナラの黄色く色づいた森が広がっていて良い感じです。

最後の急坂を登り切ると2つのピークの鞍部に着き、狭まったちょっとこわい岩場

狭い尾根

を通過すると、笠丸山山頂(西峰)に着きました! やったー

とても狭い山頂でしたが、他のパーティがいなかったので

ランチタイム

山頂を独占して景色を眺めながら美味しいランチといたしました。

風があまりなく紅葉に囲まれた穏やかな山頂でした。

紅葉と奥秩父

真っ赤なアカヤシオの向こうには金峰山を始めとする奥秩父の峰や

両神山

幾重にも続く岩山(奥は両神山)、

そして反対の方向には雪をいただいた上越の山まで見ることができました。

サラサドウダン

本当に素晴らしい色の紅葉(サラサドウダン)でした。

さてランチの後は

東峰

また恐怖の岩場を東峰に向かって進み、山頂の祠の前で手を合わせた後下山開始です。

下りも急

下りも急坂の連続で、転倒しないように気をつけながら進み、1時間余りで無事登山口に到着いたしました。


素晴らしいお天気と紅葉の中で、スリリングな岩場のある山を楽しんだツアーでした。

ご参加された皆さま、ありがとうございました。






プロフィール

荘司たか志(登山ガイド、森林インストラクター)

Author:荘司たか志(登山ガイド、森林インストラクター)
職業: クラブツーリズム(株)あるく登山ツアーガイド、
ネイチャーガイド・フォーゲル代表
URL: http://vogel2011.web.fc2.com/

あちこちの山や里山を歩き、そこで見た自然情報を掲載します。
自然好きな人、これから自然のことを知りたいと思っている人は、是非ご覧いただき、コメントをお送り下さい。

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