厚木市の北に愛川町があります。
宮ヶ瀬湖から流れ出る中津川の近くにあり、町には素朴な里山景観が残されている場所があります。
4年前に現地の人が開催してくれた観察会に参加した経験があり、それを生かしてツアーを実施する予定であり、その下見のため小雨の中を歩いてきました。
中津川にかかる八菅橋が起点です。まず最初に八菅神社へ向かいました。

入口に半鐘がありました。町指定の重要文化財になっているとのことです。
しばらく行くと急な階段からなる参道が続いています。迂回する道もあるのですが階段を直登しました。

両側の太い木はスダジイです。
平塚西部丘陵にある鷹取山にはスダジイの他にタブノキがありました。大磯の高来神社も同様です。しかし愛川町は少し内陸に入っているせいかタブノキがありません。それにしても立派なご神木です。
この神社のさらに上には展望台がありましたが、天候が良くなかったせいもありあまり良い眺めではありませんでした。
この一帯は神奈川県の自然環境保全地域に指定されています。山を下りそのすぐ下にある水田地帯を訪れました。
この辺りは尾山耕地と呼ばれています。

山側には獣害避けの柵が張り巡らされていました。地元の人に聞くと猿避けだそうです。猿なら簡単に乗り越えられそうだと思い聞いてみると、実際に乗り越えているとのことです。でもイノシシには有効そうです。
水田には

シュレーゲルアオガエルの卵塊がありました。このカエルは繁殖期以外、森の中で過ごすため、柵が移動の邪魔にならないか気になりましたが、網の間から移動できるのでしょう。
水田のしきりにコンクリートを使っていますが、農道側が土なので移動障壁にはならないし、産卵にも支障がなさそうです。

水田はこんな感じで続いています。この日には田植えをしている人とその準備をしている人がいて活気がありました。水田の中を覗き込んでみるといろいろな虫が見られます。
オタマジャクシ、ヒメガムシ、コオイムシ?。そして

これはコガムシです。
4年前の観察会では、卵を背負ったコオイムシやモートンイトトンボなど、いろいろな生き物が見られました。まだ健在のようで嬉しくなりました。しかし

この道路は昨年春に完成したものです。4年前には反対運動をしていましたが、やはりできてしまったのです。交通量は少ないので、田んぼを削ってまで本当にお金を掛ける意味があったのか疑問です。それに水田に住むヘイケボタルが減少してしまったようです。
道路の完成はとても残念でしたが、昔の生き物が息づいています。
この景観は、この辺りではここでしか見られません。
フォーゲルは6月26日(火)にここでツアーを行います。
http://vogel2011.web.fc2.com/tourpage/plan/2012/aikawa0626.pdf
じっくりご覧になりたい方はぜひご参加ください。
とても良いところですよ。