山を歩いたり自然の中に身を置くことが好きな人に参考となるような情報を発信いたします。

里山の春

桜が咲き出すとじっとしていられなくなりますね。まだ朝晩は寒いですが、昼間は暖かいので歩くのが楽しくなりました。ここ数日の間にチョウジザクラ、マメザクラとヤマザクラの桜3兄弟?を見ましたが、今日は何を見られるでしょうか?

いつも散歩する里山を歩きました。おっ、ここにも咲いています。まだ大木になっていないので花が近くで見られました。エドヒガンです。



ソメイヨシノの片親と言われていて、葉っぱが出てくるより早く花が咲く種です。ちょっと良い香りがしました。野生の桜に出会うととても嬉しいです。

たんぼの横の土手にはタチツボスミレがたくさん咲いていましたが、数株違うスミレが見つかりました。コスミレです。



コスミレという割には小さくない、普通の大きさをしたスミレです。葉っぱの表面が白っぽいのが識別のポイントです。アオイスミレの次くらいに咲く、どちらかというと早咲きのスミレですね。3月末にこれが咲いていると言うことは、やっぱり今年は開花が遅いです。

雑木林では、とってもへんてこな花が見つかりました。タマノカンアオイです。



とても少なくなった貴重な植物ですが、この辺りにはたくさんあります。どうしてこんなチョコレート色をしてハットをひっくり返したような形相をしているのでしょうか? いつ見てもへんてこな花です。

それに比べると優雅な花はシュンランです。ちょうど草刈がされていて、この花の葉っぱも刈られていました。おお、可愛そう。



春の里山は1年で最も素晴らしい季節です。昆虫類はまだ少数ですが、花が咲くといよいよ命が爆発する季節が始まります。

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高取山(伊勢原・秦野)ハイク下見

高取山は大山の前衛で標高566mの山です。伊勢原市と秦野市の境に位置し、比較的容易に登ることができます。今年の桜の開花は遅れていて、やっと28日に東京でソメイヨシノの開花が確認されました。でも多摩地方などではまだ咲いていません。

山でよく見かけるヤマザクラはソメイヨシノと咲く時期が同じで、ツアー実施の4月2日というのはヤマザクラの開花を意識して決めました。もちろん桜の花だけではなく、この時期は雑木林の芽吹きの季節。淡い微妙な色彩のコンビネーションが何とも言えず良い雰囲気です。



もちろんこの色を出しているのは芽吹きだけではなく木の花も関わっています。この写真にはキブシとヤシャブシの雄花が写っています。

林床にはミヤマシキミやアオキのつぼみがたくさんできています。ここ2週間位で咲くでしょう。珍しい名前のオニシバリは咲いていました。この花は黄緑色をしているので、よく見ないと花に気付きません。



においを嗅いでみてもそれほど良いにおいはしないし、色彩も目立たなければ、どうやって虫を呼び込んで花粉を運んでもらっているのでしょう?

植栽してあるソメイヨシノやヤマザクラはだいぶつぼみが大きくピンク色が見えているものもありましたが、まだ咲いていません。ここ数日暖かい日が続くようなので、4月2日には開花していることでしょう。

その代わりに、かわいらしいマメザクラが咲いていました。この桜は太い幹を持たないので、一見して桜らしくありません。別名フジザクラとも呼ばれ、富士山周辺の狭い範囲に分布している桜です。



花色は白から薄ピンクまであり、変化に富んでいます。派手ではないですが、とても愛らしい桜です。

このコースは尾根をずっと歩くので、沢沿いに咲くネコノメソウなどの花を見ることはできません。その代わり尾根が好きなニオイタチツボスミレが数株咲いていました。ポピュラーなタチツボスミレよりずっと少ないため、見つかるととても嬉しいです。においを嗅いでみましたが、あまりよくわかりませんでした。残念。



この他にはキブシ、イヌシデ・アカシデ、ミミガタテンナンショウ、ミツバツチグリなどの花を見ることができました。

遅れていた春がやっと来たようで、ツアー参加者とこの気分を共有できることを楽しみにしています。

藤野鷹取山

今年は春の訪れが遅いようです。昨年、この時期にはソメイヨシノが開花していましたが、今年はまだ開花の便りが聞かれません。草本の開花もだいぶ遅れているようです。標高1000m以上の山には、まだ雪が残っています。こんな時は低山が良いです。

地震後の交通は足の確保に気をつけねばなりませんが、幸い中央線はかなり動いていることが確認できました。藤野鷹取山という、藤野駅に近く標高474mの山があり、そこへ出かけてきました。

上野原駅で下車し、バスで沢井入口まで行って登りました。この山は杉桧の植林地はそれほど多くはなく、雑木林主体です。コナラ、リョウブ、シデ類などの他にウリハダカエデやツルグミが目立ちます。これらの植物はまだ開花していません。

その中で同行した人が白い小さな花を見つけました。チョウジザクラです。



サクラというと華やかなイメージを持ちますが、チョウジザクラは実に地味な花です。低木で、この個体ははっきりした幹を持っていません。サクラのイメージから遠い植物ですね。

登山道はほとんど尾根道です。ハイカーは我々以外1人しか見ませんでした。そんなわけで、道のまん中でご飯を食べてのんびりしました。



日当たりが良く風が通らないところは暖かく、アカタテハやヒオドシチョウの成虫が日向ぼっこをしていました。





この時期になると雑木林では野鳥のさえずりがにぎやかになるはずですが、この日はほとんど聞かれませんでした。寒いせいなのでしょうか? 沈黙の春にならなければよい、と思いながら藤野駅まで歩いて帰路につきました。

草戸山ツアー

3/11の震災以後は、電車が予定通り動かなかったり計画停電などがあり、世の中の色々な行事が中止となっています。夜間照明を控えるなどの理由でやむを得ないこともありますが、そうではない中止もあるような気がします。

たしかにこんな時にハイキングなんかという意見もあるでしょうが、自宅でじっとしてテレビを見たり暖房を効かせていたりすれば、外出して公共交通機関を使うよりエネルギーは使うし、第一何事にも手が付かなかったり、狭い考えに陥って自分さえよければ良い、というような行動に走りがちです。

でもツアー中にもしものことでも起これば一大事、安全と円滑な遂行は、ガイドハイクにとって最も重要なことです。

したがってフォーゲルでは、安全と交通手段の確認が得られることを前提に、震災後もツアーを実施しています。本日は、城山かたくりの里でカタクリやキクザキイチゲ、ミスミソウ(雪割草)などを鑑賞し、それらスプリングエフェメラルの生態を学んだ後、ハイキングコースで城山湖、草戸山を通り、大地沢青少年センターへ下るコースで行いました。

参加者は3名+私の妻と私の5名でした。肌寒い中、参加していただきありがとうございました。

かたくりの里の花もこの寒さで遅れていて、カタクリはまだ一分咲き程度。フクジュソウやキクザキイチゲは盛りをすぎた感じ、ミスミソウやショウジョウバカマは見頃でした。



コシノコバイモ、キバナセツブンソウという珍しい植物もあり、花は盛りでした。コバイモはバイモというユリのような植物より背丈は随分小さいですが、花は大きくてややアンバランスです。早春の時期、目立つ花で虫を呼んでいるのでしょう。



これら春の妖精(スプリングエフェメラル)は通常、落葉広葉樹の林床に自生しています。それは、早春から春の短い期間にだけ光合成するためには、落葉樹でなくてはならないのです。ここかたくりの里でも落葉樹が残されていて(あるいは植栽されていてい)、夏から秋に強い日の光から春の妖精を守っています。



かたくりの里を出てハイキングコースを歩きました。キブシ、ツノハシバミ、ウグイスカグラなどが咲いていました。



あと1週間で4月だというのに、桜のつぼみは硬いままでした。春の訪れがやや遅れているようですが、4月に入れば次々と花が咲き出して華やかになるでしょう。

城山かたくりの里

城山かたくりの里は境川の源流域にあります。30万株のカタクリがあるとのこと、まだ行ったことがなかったので、時期が早すぎることを承知で行ってきました。

農家が丹誠込めて手入れしている庭は、庭というより山というくらい、広い場所でした。カタクリはあちこちで葉っぱを広げていてつぼみがたくさん付いています。日当たりの良い株がちらほら咲いていました。



この庭の凄いところは、カタクリだけでなくたくさんの草本・樹木が植えられていることです。天気が良かったので植物はみな花を開いていました。一番目だったのがフクジュソウ。



同じ黄色い花ですが、黄花のセツブンソウもあります。黄花は初めて見ました。



それから数は少ないですが、ミスミソウはとても華やかです(雪割草という名前が書いてありました)。





ショウジョウバカマもありました。



他にもキクザキイチゲ、アズマイチゲなどの草本、ミツマタ、アブラチャン、ダンコウバイ、などなど、挙げればきりがないほどの花です。これだけの庭を手入れすることは相当大変な事だと思います。本当に素晴らしいことです。

でも、今は震災後の不安定な時。せっかくの素晴らしい庭を楽しんでいる人がとても少なかったです。仕方がないのでしょうが。


この後近くのハイキングコースを歩きました。

ツノハシバミが咲き出し、



ウソがサクラのつぼみを食べていました。



原発の処理や震災後の避難・復興に大変な苦労と努力をされている人がいる中で、こんなことをやっている自分に何となく後ろめたい気持ちを持っています。でも私もこの業界に足を突っ込んだ手前、きちんと仕事としているんだと自分に言い聞かせています。

自宅にいてテレビを付け、暖房を効かせていれば大切なエネルギーを使ってしまいます。公共の交通機関を使い、それ以外では徒歩により自然から学び楽しむことは、決して恥ずべき事ではないはずです。と言いながらも頭の中では決死の覚悟で原発と格闘している人のことが頭から離れません。

とにかく成功を祈るのみです。



気を取り直して里山へ

信じられないような映像が次々とテレビに映し出され、いたたまれない気持ちになってしまいました。まさかこんな事態になるとは誰が予想したでしょうか。言葉で表現できないような自然の力のものすごさと、それに対する人間の力がいかに小さいかを思い知らされました。

呆然とニュースを見ていても気分が滅入るだけなので、気を取り直して近くの里山を歩きました。

いつも3月になると現れるキノコが今年も出始めていました。トガリアミガサタケです。



ほとんど人目に付かない場所にあり、毎年必ず発生してくれます。出始めは枯葉色をしているので、見つけにくいキノコです。

大きなエノキの木の下で葉っぱをめくってみました。この木にはいつも葉の裏に幼虫が隠れているからです。やっぱり、いましたいました。



右側がゴマダラチョウ、左側がオオムラサキです。オオムラサキの方はスマートでかっこいいですね。どちらも枯葉色でなかなか見つけにくい虫です。この虫は葉っぱが開く時期になると幹をよじ登っていって、開き始めた柔らかい葉っぱを食べるのです。その頃には身体が緑色がかってきます。まるで忍者のような見事な変身が得意です。

原っぱにギシギシの赤い葉っぱが出始めていました。よく見るとどの葉っぱも穴が空いています。虫がいるようです。いましたいました。黒く光る小さい虫がたくさんいます。交尾している個体も多いです。



これはコガタルリハムシといって、集団で発生してスイバやギシギシを激しく食害する美しい虫です。出始めの葉っぱがおいしいのでしょう。

この他にもフキノトウやジョロウグモの卵嚢、イラガのまゆなど、短い時間でしたがいろいろな生き物を見ることができました。

少し元気をもらって里山を後にしました。

日本中に閉塞感が漂っています。みなが沈み込んだり落ち込んだりしてばかりいると、事態は改善するどころか悪循環に陥ります。どんなことでも良いから希望を持って一歩一歩進みたいと思います。まず自分が行動を変えなければ、と感じています。





北高尾小下沢

4月に行われる観察会の下見と、3月6日の行われる景信山ガイドハイクの下見を兼ねて、小下沢を歩きました。今日の朝は氷点下。一度暖かくなった後でのこの寒さは身体に堪えます。水たまりにはもちろん氷が張っていました。

小下沢に入る一歩手前で写真を撮っている人がいました。よく見るとカンアオイの葉っぱが見えます。ははーん、と思ったらやっぱりありました。花が。



地面と同じ色をしていて全く目立ちません。この花はにおいで虫を誘っているそうなので、目立つ必要はないのです。それにしてもこの寒い中、虫がやってくるのでしょうか?

小下沢の入口には梅林があります。それなりの広がりを持っています。梅は紅白色とりどりですが、まだ3分咲きくらいです。



12日から週末のたびに特別開園日があるそうで、梅林の中を通る道を造っていました。12日なればもっと見応えがすることでしょう。

奥へ進んでいくと日当たりの良い道ばたにうすむらさき色の花が見えました。春一番に咲くアオイスミレです。



このスミレは葉っぱの形がフタバアオイに似ていることから名前が付いたようですが、そのフタバアオイから徳川家の葵の御紋ができたと言われています。つまり中抜きをすると、アオイスミレの葉っぱは葵の御紋の形に似ている、ということになります。それにしても清楚な花ですね。それと春一番はお得です。だって大切にされるから。

その先の水たまりには寒天質に包まれたカエルの卵がありました。ヤマアカガエルとタゴガエルの卵塊です(写真はタゴガエル)。



ヤマアカガエルは古い卵塊とオタマジャクシもいました。ダラダラと長い期間産んでいるようです。タゴガエルはこの地にしては早い産卵です。高尾山などでは3月末から4月上旬に鳴き声が聞こえます。1ヶ月も早いですね。

これらのカエルは産卵後、再び冬眠(春眠?)を始めます。暖かくなって餌となる小動物が出てくるのをじっと待っています。


早春の高尾山散策

裏高尾では12日から梅祭が開かれるとのことです。紅梅、白梅、サンシュユときれいに咲きそろっていました。春が来た実感がわくような光景です(この写真には白梅が写っていませんが)。



小仏川沿いを進むため、道路から離れました。ところが、駒木野〜蛇滝間の橋は2箇所通行止めとなっていました。発注者の多摩環境事務所に聞くと、カルチャー本番の17日までには工事が終わるとのこと。ほっとしました。小仏川沿いの草花はまだほとんど開いていません。

蛇滝から日影までは車道を歩きました。庭木ウォッチングが楽しいです。ウメ、マンサク、ミツマタ・・・。花の季節がまもなく到来です。

日影のデッキの下では、ハナネコノメが咲き出していました。



この花は春一番に咲きます。本当に可愛い花です。赤い葯がチャームポイントですね。もう少し季節が進むとカメラマンが大勢やって来ます。

日影沢林道を進みます。ところどころでヤマネノコメソウやヨゴレネコノメが葉っぱを開いていました。あと2週間位で咲くでしょうか?
とその時、ヤマネコノメソウの花を数株見つけました。やっと咲き出したばかりのようです。



林道を折れて高尾山の方へ登る山道を進みます。タチツボスミレ、ツルカノコソウ、ユリワサビなどが葉を広げていました。

この後もみじ台、高尾山頂、1号路を経由して霞台へ向かいました。植栽されているアセビがもうかなり花を付けています。



霞台からは東京方面が見えました。やや霞んでいる中、現在高さ600mを越えたスカイツリーがひときわ高く天を突き刺しています。



まだまだ少しですが、春の到来を感じることができました。
「はーるがきた はーるがきーた どこにきた♪」「やーまにきーた さーとにきーた のにもきた♪」

プロフィール

荘司たか志(登山ガイド、森林インストラクター)

Author:荘司たか志(登山ガイド、森林インストラクター)
職業: クラブツーリズム(株)あるく登山ツアーガイド、
ネイチャーガイド・フォーゲル代表
URL: http://vogel2011.web.fc2.com/

あちこちの山や里山を歩き、そこで見た自然情報を掲載します。
自然好きな人、これから自然のことを知りたいと思っている人は、是非ご覧いただき、コメントをお送り下さい。

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