山を歩いたり自然の中に身を置くことが好きな人に参考となるような情報を発信いたします。

春を迎えた丹沢大山

ガイドツアーとカルチャー下見のため、丹沢大山へ登りました。昨日まで雨、明日以降また雨、つまり雨の谷間の貴重な晴れの日です。

何度もご紹介しているように、今年は植物の開花が遅れています。ツアーを間近に控えているため少し心配していました。ケーブルを下りて阿夫利神社下社の前で撮影しました。



カエデなどの木々の緑がまぶしいです。
ここから見晴台へ向かいました。モミやアカガシの大木の林床に、ヒメレンゲのきらきらした花が目に飛び込んできます。



森の中ではキビタキ、クロツグミなどの夏鳥が素晴らしい声を響かせています。

見晴台へ来ました。大山山頂方面を眺めると、木々の色の違いから、落葉樹とモミなどの針葉樹の分布が良くわかります(左側のピークが山頂)。



やっぱり花が遅れているようです。ツクバネウツギ、ミツバウツギもつぼみ。ササラドウダンはやっと花を開きはじめていました。



丹沢はシカが増えすぎてあちこちで林床植物を食べ尽くしています。ところどころにシカの侵入を防止する金網が張ってありますが、金網の外では下層植生が乏しいのに、金網の中では植物が繁茂しています。かなり被害を受けているようです。

近くてホトトギス、ツツドリ、ジュウイチの托卵鳥3種が鳴いています。このうち、ホトトギスはウグイスに、ジュウイチはコルリやオオルリに托卵しますが、ウグイスもコルリも藪が好きな鳥。これだけ笹が退行してしまうと、両種ともに住みづらい環境でしょう。そうなると、これらに托卵する鳥も影響を受けるはず、などと考えていると、あちこちからコルリの声が聞こえてきました。

運良く姿を見つけました。望遠レンズを持っていたのでチャンスです!



時限爆弾のような前奏を「ちっちっちっちっ」とならした後、いくつかの節回しで鳴く、コルリの演奏が遠くまで響いています。とても美しい声です。

山頂に着きました。今日は湿度が低くて爽やかですが、遠くはやや霞んでいます。スカイツリーは双眼鏡で辛うじて見えましたが、写真に写りそうもありません。でもこの山の景観はとても素晴らしいです。

江ノ島です。



次に真鶴半島、伊豆半島と箱根の山の一部です。手前には渋沢丘陵が見えます。



山頂を一周する道にはトウゴクミツバツツジがあちこちで咲いていて、まるでツツジのトンネルのようでした。



この後、表参道を通って下山しました。ツクバネウツギ、ニシキウツギ、サルナシ、ウツギ、マルバウツギなどはまだ全てつぼみでした。やはり植物の開花が遅れているようです。ツアーまでには咲いて欲しいと願っています。

なお、フォーゲルの大山ツアーは5月29日に実施します。詳しくは以下をご覧下さい。悪天の場合は延期いたしますが、まだ日が決まっていません。決まりましたらページにその旨変更を記載いたします。ご参加をお待ちしています。

http://www006.upp.so-net.ne.jp/guide_Vogel/tour.html

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素晴らしい金時山

週末までは地蔵堂から足柄万葉公園までバスが出ているので、ツアー本番は万葉公園をスタートにするつもりですが、本日は平日の下見でバスが行っていないので、地蔵堂バス停から歩き始めました。まずは夕日の滝です。



水量がそれなりにあり、落差も25mあってなかなか迫力がありました。付近はケヤキやシラカシの立派な林がありました。沢沿いに登っていきます。途中何回か徒渉しています。流れの横に可憐な植物がありました。タニギキョウです。



途中の林ではオオバウマノスズクサが異様なほどたくさんあって、つぼみを付けている個体もありました。そしてこの植物。



花の部分をひっくり返すと、大変不思議な形態をしています。



葉っぱを見るとユリ科のようでしたが、花を見ると6数性ではなく雄しべは妙な並びです。帰宅して調べたら、ビャクブ科のナベワリという植物でした。

道は次第に沢から離れ、尾根状になってきたと思ったらアカマツが出てきました。アカマツとイタヤカエデの優占するきれいな林では、オオルリとキビタキがフルートを演奏しているような美しいさえずりを響かせていました。足元にはギンリョウソウです。



今年の初認です。
やがて稜線の合流点に出ました。富士山が大きいです。



一方、これから登る金時山は急峻で仰ぎ見る感じでした。



急坂を登り始めると階段やハシゴがたくさん整備されていました。20年以上前にはこのようなものは無く、足場が悪いキツイ登りを苦労して登った記憶がありますが、今は楽チンです。



高度を上げるに連れ、ツツジ科のシロヤシオとトウゴクミツバツツジが増えてきました。新緑の中でとても映えます。



金時山頂周辺に両種は大変多く、これから1〜2週間位が花のピークでしょう。
ハシゴの急な登りから後方を見ると、仰天しました。とにかくすごい眺めです。新緑の尾根が連なり、その先に足柄峠や矢倉岳が広がっています。手前には斜面に展開する新葉と花。



野鳥のBGMを聞きながらしばし見とれてしまいました。
しばらくしたら金時山山頂に着きました。今度は芦ノ湖や神山方面がよく見えます。



あいにく曇り空で風がやや強く少々寒かったです。それにしても外輪山の連なりとカルデラの規模が大きいこと。

この後は乙女峠方面へ下りました。トウゴクミツバツツジやシロヤシオの他、タチツボスミレ、オトメスミレがフレッシュでした。ブナやヒメシャラの林もなかなか見応えがありました。



コルリのさえずりも聞こえました。この時期は新緑に花に野鳥のコーラスに、と実に魅力的なハイキングが楽しめます。
乙女峠から御殿場側のバス停に下山して帰途に着きました。

金時山ハイキングは5月21日(土)に実施予定です。天気予報は晴れ。きっと下見よりさらに素晴らしいハイキングになるでしょう。

詳細は以下にあります。
ツアー全体:http://www006.upp.so-net.ne.jp/guide_Vogel/
金時山ツアー:http://www006.upp.so-net.ne.jp/guide_Vogel/kintoki0521.pdf
お申し込み:http://www006.upp.so-net.ne.jp/guide_Vogel/apply.html

お申し込み、お問い合わせをお待ちしております。

小山田緑地ツアー

小山田緑地は、本園と3ヶ所ある分園とすれをつなぐウォーキングパスから成っています。それぞれにはまとまった緑地や池などがあり、変化に富んだ自然を楽しむことができるようになっています。

最も北にある山中分園の広場に来ました。キビタキのさえずりが響いています。広場からはのどかな農村風景が臨まれました。



山中分園から南下して大久保分園に来ました。ずっと探していたオトシブミがようやく見つかりました。コナラの葉を巻くヒメクロオトシブミの揺籃です。



この他、エゴノキにはエゴツルクビオトシブミの揺籃もできはじめていました。こちらはサイズが大きいです(写真撮れず)。

大きな池にやってきました。トンボ池という名前が付いていますが、ほとんどトンボが見られません。その代わり、シマヘビが池の中を泳いでいました。



ヘビは泳ぎがとても上手です。うらやましい・・・。

大久保分園の次は梅木窪分園です。ここにはアサザが生育している池(アサザ池)があって、アカガエルとヒキガエルのオタマジャクシも見えます。近くの水路ではトウキョウダルマガエルも鳴いているので、先ほどのトンボ池よりは生き物のにぎわいを感じることができます。



今度はアサザが咲いているときに来てみたいと思いました。池を後にして雑木林に入りました。林床がきれいに整備されていていろいろな花が咲いていました。



この林の一部に吊り橋があって、その上からホオノキやフジの花などが近くで眺められました。ホオノキの花からは香水のようなとても良い香りが漂っていて、よい気分になりました。

最後に本園に入りました。だんだん時間がなくなってきたのでかなりスキップして小山田の谷へ行きました。ヒメウツギの花が咲いています。近づいてみてみると、コマルハナバチの女王がブンブン飛んでいました。でもよく見るともう1頭動かないマルハナバチがいます。



何と、カニグモの仲間に捕まっていたのでした。もう死んでいるようでした。おお、お気の毒。でもこれも運命です。クモにはごちそうだったことでしょう。

本園の池にもオタマジャクシがいました。ここには時々カワセミが飛んでくるようです。林床の植物などを見ていたらバスの時間となりツアーを終了しました。

小山田緑地は気軽に散策できて、自然観察する良いポイントが散りばめられています。今後もここを利用してツアーを行いたいと思いました。




渋沢丘陵5/3

8日に中学生とその保護者を里山へご案内する機会に恵まれ、3日にその下見に行きました。渋沢駅から南へ約20分の所にある里山がその舞台です。手入れの行き届いた雑木林や、復元しつつある谷戸がありました。

雑木林の主人公はコナラ。その葉っぱはフワフワです。まだタンニンの合成ができていないため、イモムシなどにはとてもおいしいごちそうです。これはゼフィルスのオオミドリシジミの幼虫でしょうか?



別のコナラの枝先にはマシュマロみたいな虫こぶが見つかりました。コナラリンゴフシのようです。



この虫こぶはタマバチの1種が住んでいます。それにしてもどうしてこんなに大きくなるのか不思議です。

イヌシデの枝先には別の犯人による虫こぶがありました。イヌシデメフクレフシでしょうか?



こちらはダニが住んでいるようです。
他にも、虫こぶの犯人はタマバエだったりアブラムシだったり、と多岐に渡っています。別々に進化した生物が、同じ様な虫こぶを作るのは本当に不思議なことです。どうやってこんな能力を獲得したのでしょうか?

写真を撮るのを忘れましたが、コナラの葉の上でヒメクロオトシブミが休んでいました。そろそろ一仕事でしょうか?自分の身体よりずっとずっと大きい葉っぱを、宙ぶらりんになりながら巻き上げるなんて、本当に素晴らしい建築家?です。しばらく待っていましたが、巻く気配がないのであきらめました。

毛虫やイモムシ、キリギリス科の幼虫があちこちで見つかり、5月は虫が大発生することを改めて感じました。



雑木林の中ではキビタキやオオルリなどが、谷戸ではシュレーゲルアオガエルが、それぞれとても素晴らしい声で鳴いていました。5月は命が爆発する季節だということを実感しました。

箱根神山5/2

カルチャー講座下見で箱根へ行きました。早雲山から登り始めるとミツバツツジの花が目立ちます。



火山のせいで土壌の栄養が少ないからでしょうか、アセビ、ネジキやミツバツツジなどツツジ類が目立ちます。アセビは花をたわわに付けていて、遠くから見ると木全体に雪がかぶっているようでした。



大湧谷分岐が近づくと、硫黄の匂いがしてきました。林床にはテカテカする葉っぱが目立つようになりました。まだつぼみができかけです。そう、イワカガミです。



光沢のある葉っぱを鏡に見立てて名付けられたそうです。
連休の谷間とは言っても入山者はそれなりにいて、すれ違う人は多かったです。神山山頂で昼食を食べた後、駒ヶ岳に向けて山を下りていきます。ヒメシャラの林がありました。とてもきれいな樹肌が印象的です。



神山山頂から駒ヶ岳の山腹まではキクザキイチゲの群落が目立ちました。白・水色・青といろいろな色の花が混じって咲いていて、とてもきれいでした。高尾山のキクザキは真っ白なのですが、ここの花はカラフルでかつサイズが小さいものが混じるのが特徴です。



駒ヶ岳山頂に着きました。この日は中国大陸から黄砂が流れてきて漂っています。周辺の景色が霞んでいてよく見通せないのが残念です。



この後、ロープウェイで箱根園に下りて小田原までバスに乗りましたが、とんでもない渋滞に出会い、予定の2倍も時間がかかりました。ヤレヤレ。

プロフィール

荘司たか志(登山ガイド、森林インストラクター)

Author:荘司たか志(登山ガイド、森林インストラクター)
職業: クラブツーリズム(株)あるく登山ツアーガイド、
ネイチャーガイド・フォーゲル代表
URL: http://vogel2011.web.fc2.com/

あちこちの山や里山を歩き、そこで見た自然情報を掲載します。
自然好きな人、これから自然のことを知りたいと思っている人は、是非ご覧いただき、コメントをお送り下さい。

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