山を歩いたり自然の中に身を置くことが好きな人に参考となるような情報を発信いたします。

大蔵高丸のお花畑7/27

大蔵高丸というのは奇妙な名前ですが、標高が1700m以上ある素敵な山です。通常この位の高さでは森林のはずですが、過去の人間の働きかけが影響してか、広大な草原になっています。同じ位の標高である霧ヶ峰もそうですが、かつての人間は生活に大量の草を利用しており、その草を取るための場所、すなわち採草地として高い山の上も利用していたらしいのです。

一度森が失われてしまうと、高い山の自然環境ではなかなか森に戻ることができません。でもそれがかえって広大な半自然草原として残り、草原性の生き物の生息を保証してきました。

標高の高い半自然草原では、夏から秋にかけてたくさんの花が咲き乱れます。ここでは7月下旬の花をご紹介します。

まず、シモツケソウです。ピンク色がとっても華やかです。



木本のシモツケに似ていますが、こちらは草であるためその名があります。
次にキリンソウです。ハナカミキリが花粉を食べに来ています。葉っぱが分厚くて特徴があります。キリンソウという名前は麒麟から来ているのではなく黄輪草なのだそうです。星形の花が輪状に集まっていてとてもきれいな花です。



そしてコウリンカ。花の周囲の舌(舌状花)がタンポポよりずっと少ないですが、それがかえってアクセントになっていますね。



今度は白っぽい花です。まずチダケサシ。乳茸というきのこをその茎で指したことから名前が付いたと言われています。



これととても似ていますが、色が白っぽいハナチダケサシです。こちらの方が花が豪華ですね。



トンボがたくさん止まっているような奇妙な形の花がありました。トンボソウです。ランの仲間には変わった形の花が多いですね。



そして薄紫色の穂を立てたようなヒメトラノオです。この様な形の花に「虎の尾」という名前が付いたものが多いですね。日本にはいない動物なのに。



この日の予報はあまり良くなかったのですが、曇り空ながらも富士山がしっかり見えました。



山頂に笠をかぶっていましたが、夕立に会うことはありませんでした。

目を東南へ転ずると中央線沿いの山々と丹沢です。



反対の方には南アルプスも見えていました。晴れると午後は入道雲が上がってきて天候が不安定になるのですが、この日は朝から曇天で涼しかったため、上昇気流が発生せず遠くがよく見えました。

ヒヨドリバナやヨツバヒヨドリが咲き出して草原は賑やかになってきました。



この草原は9月にかけてたくさんの花がリレーのようにバトンタッチし、いつ訪れてもすばらしいお花畑を見せてくれます。


ネイチャーガイド・フォーゲルでは、8月20日(土)に大蔵高丸ツアーを計画しています。湯の沢峠までタクシーで行ってこの稜線を南下し、やまと天目山温泉まで下山して一風呂浴びるというツアーです。
http://www006.upp.so-net.ne.jp/guide_Vogel/ookura0820.pdf

みなさまのご参加をお待ちしております。
http://www006.upp.so-net.ne.jp/guide_Vogel/tour.html





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瑞垣山ツアー

瑞垣山は、その特徴的な山容で日本百名山の1つに数えられています。お客様の希望で実施するプライベートツアーで登りに行きました。

登山口は多くの人が利用する瑞垣山荘です。ここからスタートしました。梅雨明け後の日差しは強かったですが、ここは標高1500mを越えるため、朝の森の中はひんやりしていました。

登り初めはミズナラ林です。



植栽されたカラマツが大きくて、富士山が見えない富士見平を過ぎ、しばらく行くとやっと行く先が見えてきました。確かに岩だらけの山です。



富士見平を過ぎると標高1800mを越え、コメツガが多くて暗い森になりました。苔がたくさん生えていて、まるで北八に来たようです。きのこがあちこちに見られ、これは比較的きれいなベニテングタケです。



唯一の沢を渡渉すると大きな岩がまっぷたつに割れている所へ来ました。桃太郎岩というとか。それにしてもどういうメカニズムでこの岩は割れたのでしょうか?



道は次第に傾斜が急になり、大きな岩がゴロゴロとして歩きにくくなってきました。瑞垣名物の大ヤスリ岩が圧倒的な眺めです。





こんな岩だらけの場所に、コメツガ、ゴヨウマツSp.、ナナカマド、ハクサンシャクナゲなどが岩にへばりついて森を形成しています。花崗岩主体の山なので風化が激しく、それがかえって土壌形成に役立っているようでした。岩の隙間に土がたまっていて、そこに根を張っていました。

ついに山頂に着きました。やや雲が多いながらも近くの山々は全部見えています。朝早く登った人は、360度のパノラマだったそうですが、夏山は昼に雲が出るのはしかたがありません。



私の背後に移っているのは奥秩父の名峰、金峰山です。

登る途中で見上げていた大ヤスリ岩は、山頂からはだいぶ下の方に見下ろすような感じです。



山頂付近にはハクサンシャクナゲがあちこちに咲いていました。



下山は同じコースを使って瑞垣山荘まで戻りました。


この山には大ヤスリ岩より下の方にアズマシャクナゲもありましたが、花は終わっていました。ハクサンとアズマが両方見られるところもあり、混生していました。

時期的なことなのか、ニホンジカの食害なのか、それとももともとなのかわかりませんが、コースに草花は大変少なく、咲いていたのはアカショウマ、ヤマブキショウマ、ゴゼンタチバナ、ヤマオダマキ少々、キバナノコマノツメ少々、マイヅルソウ少々、咲き終わりのニシキウツギ位でした。

ただし山頂からの景観は抜群で、雲が無くて空が澄み切っていれば南アルプス、八ヶ岳、奥秩父、富士山などがパノラマのように見られるでしょう。

さすが百名山ということでしょう。

花の三ツ峠山

河口湖駅からバスに乗り、三ツ峠登山口で下車。そこから幅の広い登山道を登ります。山頂に数件の小屋があるため、生活道路となっている林道です。普通の登山道より道が広いため、光条件が良くて花が多いのでしょう。

登り始めからシモツケやヤマアジサイがたくさん咲いています。





林道の横に登山道があるのですが、かなり道は急で林道の方が楽です。林道脇にヤマオダマキやミヤマカラマツの花が見られます。





そしてレンゲショウマとクガイソウのつぼみです。





クサタチバナはフォサマグナ要素と呼ばれ、分布が富士山周辺の狭い地域にしかない植物です。



最近、ニホンジカの個体数増加に伴い、この山域にも被害が出始めたと聞いていますが、林道周辺を見る限りその傾向は見られません。とにかく次から次へといろいろな花が見られ、全く飽きることがありません。

1時間半あまりで山頂付近の草原に出ました。草原の花も咲き始めています。
これはアヤメ。網目が見えるのでノハナショウブではありません。



そして薄く雪をかぶったようなウスユキソウ。



咲き始めたフウロソウの仲間。



そしてシモツケやヤマブキショウマの群落です。



三ツ峠山は単独の山の名称ではなく、3つの山の総称です。そして最も高いのが開運山です。この写真は開運山山頂(1785m)。



富士山はすぐ近くなのですが、この日は朝から顔を出してくれません(>_

そして目を西方に転ずると御坂山地の山々が見えています。この山々はフィリピン海プレートが衝突した時に隆起したと考えられています。



すぐ手前に三ツ峠山の1ピークである木無山、そしてその右に黒岳が見えています。

花が多ければ昆虫もたくさんいます。

まずはヤマブキショウマの蜜を吸っているコマルハナバチのオスです。



地上で休んでいるのはミドリシジミの仲間のオスです。種の特定ができませんでしたが、時折飛ぶと金属光沢でキラキラして、とてもファンタスティックでした。



葉の上で休息しているのはオオトラフコガネです。これも美しい模様ですね。



下山路は木無山から母の白滝コースを選びました。こちらは道が細い普通の登山道です。花はやや少なく単調な道が続きました。それでもカワラマツバやマルバウツギの花が見られ





最後に母の白滝という落差10mあまりの滝で締めくくりました。



ここ数ヶ月歩いたコースと違って、この山の登山道横には本当にたくさんの草花が見られました。まだニホンジカの食害が少ないのでしょう。しかし徐々に食べられているという話を聞きます。いつまでもこの植生が残って欲しいと思います。

ここで取りあげたコースのハイキングツアーを7月30日(土)に実施します。花は多少入れ替わっていると思いますが、まだつぼみだったレンゲショウマやクガイソウがその頃には咲き出している事でしょう。そして山頂付近の草原は花でいっぱいになっていることと思います。 みなさまのご参加をお待ちしています。

ツアー詳細はこちらにあります。
http://www006.upp.so-net.ne.jp/guide_Vogel/mitsutouge0730.pdf

お申し込みはトップページからお入り下さい。
http://www006.upp.so-net.ne.jp/guide_Vogel/index.html





倉岳山

上野原駅からバスで無生野まで行き、穴路沢を登りました。沢沿いにはカワトンボが多く、写真のミヤマカワトンボも見つかりました。



道にはハンミョウがいて道を教えてくれました。いつ見てもきれいな虫です。



すぐに山道となり、人工林の下を沢沿いに進みます。
沢の直ぐ横にミズタガラシというアブラナ科の花を見つけました。そこにモンシロチョウが産卵しています。



林内にはヤマアジサイがたくさんあり、ちょうど花が見頃とあって美しい景観が広がっていました。



それと足元には目立たない小さな花が。



アカネ科のキヌタソウです。見逃してしまいそうな本当に小さい花です。

穴路峠を通って倉岳山山頂に着きました。標高990mです。
北側にあったアカマツが枯れて展望が良くなっていました。百蔵山と手前が猿橋の町です。



山頂から立野峠へ向かって下り始めました。道のまん中にずいぶん大きな獣糞が鎮座しています。もしかするとクマのかも・・・。



これ以降、ちょっと慎重に周囲を見ながら歩きました。クマよけの鈴をつけてあるのですが、やはり気になりますね。

立野峠から月尾根沢を下ります。ここはトチノキの巨樹・巨木があり、私の好きな道です。秋になるとたくさんの栃の実を拾うことができます。あっ、ありましたありました。この沢の主です。



文句なく周囲5m以上はあるでしょう。一体、何年生きてきたのやら。周囲の人工林が実に貧弱です。

この付近にはギンバイソウが咲きます。まだツボミの株が多かったですが、下の方では開花していました。



とても変わった花です。1つの花茎から10個以上のつぼみが付いています。1つの花に着目すると、花弁も萼も白く、雄しべは周囲に数十個あり、メリーゴーランドが回転しているときにぶら下がっている人を見るように、放射状に広がっています。そのまん中に雌しべがどーんと構えています。こんな大きな花が10個以上次から次へと咲くのです。すごいエネルギーですね。

沢を下ると道路に出てほどなくしたら梁川駅に着きました。この日も平地では30℃以上あったようですが、沢沿いコースを取ったことと風が吹いていたので、涼しくしのぎやすかったです。2週間後にカルチャー講座でこのコースを歩きます。



プロフィール

荘司たか志(登山ガイド、森林インストラクター)

Author:荘司たか志(登山ガイド、森林インストラクター)
職業: クラブツーリズム(株)あるく登山ツアーガイド、
ネイチャーガイド・フォーゲル代表
URL: http://vogel2011.web.fc2.com/

あちこちの山や里山を歩き、そこで見た自然情報を掲載します。
自然好きな人、これから自然のことを知りたいと思っている人は、是非ご覧いただき、コメントをお送り下さい。

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