山を歩いたり自然の中に身を置くことが好きな人に参考となるような情報を発信いたします。

箱根鷹巣山と滝

南下した秋雨前線が消え、北からの高気圧に覆われてきました。南海上には2つの台風が不気味な動きをしているので、束の間の晴れ間かも知れません。

箱根の新期外輪山は古期外輪山の内側にあって、鷹巣山、浅間山、二子山などがあります。今回の目的地は鷹巣山、浅間山などの新期外輪山です。

畑宿から北上すると、飛竜の滝があります。この滝の水は新期外輪山から須雲川を経て早川に流れ込みます。大雨の後とあって水量が多く豪快です。



竜が飛ぶようには見えませんが、しぶきが飛んできて涼味満点です。

しばらく人工林の間を登って外輪山の尾根筋に出ると、秋の花が咲き始めていました。
秋の七草のオミナエシ、ヤマハギ、それにススキも穂が出始めました。





シシウドは盛りが過ぎた感じですが、まだ咲いていてハナカミキリなどたくさんの昆虫が集まってきていました。その中でちょっとびっくりしたのは



そうです。ザトウムシが花粉を食べていたのです。この虫は肉食が中心の雑食ですが花粉も食べるのですね。

タマアジサイの花にはトラマルハナバチが来ています。この虫はツリフネソウやアキノタムラソウ、ハギみたいに潜り込める構造の花ではよく見ますが、この花のように上向きで蜜が吸いやすい花にも結構顔を出しますね。



この他にもシラヤマギク、コバノギボウシ、アキノタムラソウ、ワレモコウ、ツリガネニンジンなどの花も見られました。もう少し季節が進むとお花畑になりそうです。

花を楽しんだ後は小涌谷方面へ下りました。下りきったところには美しい千条(ちすじ)の滝がありました。



飛竜の滝とは対照的な優美な滝で、このコースは2つの対照的な滝を楽しむことができます。

9月15日にカルチャー講座でこのコースを歩く予定です。

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御岳山ツアー

前日の夕方、かなり強い雨が降り、開催が危ぶまれましたが、当日は雨が上がったので実施することにしました。下の方は曇でまずまずだったのですが・・・。

御嶽駅を下りたら霧雨でした。バス、ケーブルと乗り継いで山の上へ行くとやっぱり雨。仕方がありません。

富士峰園地のレンゲショウマはどんなでしょうか? さっそく見に行きました。
わわっ、これはすごい! 壮観です。



雨にも関わらず多くの人が見に来ています。でもその価値はじゅうぶんありました。
この後ロックガーデンへ向かいました。大雨の後のため水量が多く、迫力がありました。



ロックガーデンの花は少なめで、ヒカゲミツバとタマガワホトトギス位で、イワタバコの花はほとんど終わっていました。

ロックガーデンを一周して神社からケーブル方面へ戻ってきましたが、時間があるためケーブルを使わずに表参道を歩いて降りることにしました。杉並木をジグザグに下りていきますが、間伐と枝打ちが十分されているので林床が明るく、たくさんの植物が生えていました。



雨はまもなくやみ、その中をのんびりと下山しました。

御岳は四季折々自然を楽しめますね。

草地が広がる野津田公園

その昔は日本国中に草地が広がっていました。採草目的で屋根の材料や牛馬の餌、肥料などに用いるために、広い面積が必要でした。その名残が野津田公園にはあります。カヤ場とか葉場山などと呼ばれていました。



この公園ではススキ草地と呼んでおり、ススキやオギが優占しています。毎年春先に火入れすると良い草が取れるのですが、今は燃やせず冬場の草刈りだけで草地を維持しています。そのせいか、セイタカアワダチソウやクズなどもはびこっています。

ススキの根元にはナンバンギセルの花がありました。ススキから栄養をもらっている寄生植物(つまりパラサイト)です。



ススキの間を刈り込まれた道を行くと、次々とバッタの仲間が現れます。まずはショウリョウバッタモドキです。



葉っぱに成りきっていますね。人が近づくと横に這いながら葉っぱの裏側に隠れます。それが何とも言えずおかしいです。

次はモドキのない、正真正銘のショウリョウバッタ(♀)です。



飛ぶと「キチキチキチ」と音がするので、キチキチバッタとも呼ばれています。
バッタの次はキリギリスです。「チョンギース」って鳴いています。あっ間違い。これは♀なので鳴きません。



ちょっとした裸地にはクルマバッタモドキがいます。クルマバッタに似ていますがだいぶ小振りです。



草刈りがしにくい崖では花がたくさん咲いています。
ユリの仲間のノカンゾウです。



近い仲間のヤブカンゾウより清楚で美しいです。そして草原といえばこの花



そう、ツリガネニンジンです。昔からトトキと呼ばれ山菜としておいしいそうですが、数が少ないので取ってはいけません。

わーっ、と賑やかに咲いているのはセンニンソウです。



千人草ではなく仙人草と書きます。これは花が咲いた後の実を見ると何となくわかりますよ。

草地にも秋の花が咲き出し、バッタ類がたくさん見られるようになりました。まだ残暑はありますが、秋の気配が漂っています。夜になれば虫のコーラスが聴かれるでしょう。

ネイチャーガイド・フォーゲルでは、鳴く虫の声を聞くツアーを8月30日の夕方に計画しています。あまり聞くことができなくなった秋の虫の鳴き声を聞いたり、夕方から咲く花を見たりしませんか。

ツアーのチラシ http://www006.upp.so-net.ne.jp/guide_Vogel/noduta0830.pdf
ツアー一覧   http://www006.upp.so-net.ne.jp/guide_Vogel/tour.html

大蔵高丸ツアー8/20

2日前まで続いていた猛暑が終わり、19日より急に肌寒い雨となりました。ちょっと残念な天気ですが、ツアー初参加の方もいらっしゃるし、こんな日こそ見られるものもあるだろうと思い、決行しました。

湯の沢峠からしばらくは稜線上の草原でたくさんの花を見ることができました。タチフウロ、ヒメトラノオ、シモツケソウ、コウリンカなどが咲いていました。シカの食害で一頃より少なくなったとはいえ、まだまだこの一帯の花は多いです。

草原を過ぎ、大蔵高丸へ登り始めました。今度はソバナなど森林の花が咲いています。



ハマイバ丸までは草原に出たり森林に入ったり。この辺りはかつて人が採草のために草刈りをしていたと思われいていて、その跡が草原として残っています。通常、森林になる標高ですが、自然環境が厳しいのでゆっくりと遷移しているのです。

薄暗い森の中にぱっと明るい色をしたものが見つかりました。タマゴタケの幼菌です。



夏に現れるおいしいキノコです。しばらく行くと、今度はブナの立ち枯れ木に、手のひら大の大型きのこがワサワサ生えていました。ツキヨタケかもしれません。



雨をたっぷり含んでブヨブヨしており、根元にどっさりと落ちていました。ちょっと気味悪い感じです。



急な道を下りきって米背負峠に着き、そこから西の沢を下り始めました。とても美しい沢です。



ミズナラやサワグルミがすっくと伸びていました。その沢もやがて林道にぶつかって終わりました。ここから天目山温泉まで林道をひたすら歩いて下りました。雨はすっかり上がっていて、乱暴な工事でできたと思われる林道周辺の景色がよく見えました。この林道は一般車両通行止めとなっていますが、すごく良い道です。メンテナンスにもお金がかかるでしょう。林業だけのためならこんなに良い道は必要ありません。一体何のための林道なのかと憤りを覚えました。

天目山温泉で気持ちよい露天風呂に入り、さっぱりして帰路につきました。

花いっぱいの御岳山

ケーブルを下りたところに富士峰園地という小高い丘があり、そこが日本最大のレンゲショウマ群生地です。その株数は5万株だとか。丘一面がレンゲショウマという感じです。



園地は落葉樹林となっていて、日陰で涼しい風が吹き抜けます。そこにレンゲショウマが咲き始めていました。1分咲き位でしょうか?



つぼみもたくさんできています。満開になると丘全体が薄紫色に染まるような感じでしょうか? 満開はきっと8月末でしょう。

同じ薄紫色のベル形の花がちらほら見られます。これはソバナという花です。



同じ様な形をした花にツリガネニンジンがありますが、ツリガネニンジンは草原の花なのに対してソバナは林内や林縁にあります。

沢沿いにはタマアジサイです。アジサイの中では最後に咲く花ですが、やはり薄紫色をしていて上品な感じがします。外側から内側に向かって開花していく様子が写真からおわかりになりますか?



薄暗い森の中でひときわ目立つのがこの真っ赤な実。鳥へのシグナルを送っている、トチバニンジンの実です。



レンゲショウマは可憐な花ですが、誰が一体花粉を運ぶのでしょう? 本にはマルハナバチと書いてありますが、この目で確かめたいところです。と思っていたら、オオマルハナバチが次から次へと訪花しているのを見つけました。やはりあなたでしたか。



園地を離れて方面へロックガーデンへ向かいました。途中で珍しい木の花に出会いました。バイカツツジです。



葉っぱの下で遠慮気味にひっそりと咲いています。初めて見ましたが、とても可憐ですね。

いよいよロックガーデンに着きました。いきなりでっかい目立ちたがり屋に出くわしました。



フシグロセンノウです。暗いところでこのオレンジ色が大変派手で目立ちます。
沢を当たる風は心地よく、下界の猛暑を忘れてしまいそう。昼寝でもしたい気分でした。



夏の沢と言えばこの花です。



イワタバコですね。葉っぱがタバコに似ているとか。何やら怪しげですがよく見るととても美しい花です。でも暗いところにあるのと花茎を伸ばすので、写真撮影が難しい対象です。

それに対してこちらは明るく朗らかな花、タマガワホトトギスです。



ホトトギスというと白や薄紫色の花が多いのですが、中には黄色っぽい花もあるんです。この花は黄色と言うよりクリーム色で形も含めて上品な高貴な感じの花です。

この他にもたくさんの花が見られました。
涼しくて去りがたいロックガーデンを後にして、七代の滝へ下り始めました。
七代の滝は、綾広の滝よりやや小さく地味です。綾広の滝では修行としての滝行を行っていますが、こちらではその対象となっていないようです。



七代の滝を後にして長尾平方面の道を分け、下っていくと林道に出ました。ここからは林道を1時間余り歩き、上養沢バス停に着きました。



お盆の期間中とあってやや込んでいましたが、御岳の夏は花がいっぱいでした。
まもなくレンゲショウマは満開になって、多くの人がその素晴らしい花園を見学にいらっしゃるでしょう。

ネイチャーガイド・フォーゲルでは、8月27日(土)に御岳山ツアーを予定しています。ツアー予定は下記をご参照下さい。

チラシ: http://www006.upp.so-net.ne.jp/guide_Vogel/mitake0827.pdf
ツアー一覧: http://www006.upp.so-net.ne.jp/guide_Vogel/tour.html

みなさまのご参加をお待ちしています。



三頭山8/6

駐車場から森林館に行く車道にたくさんのチョウが飛んでいました。スミナガシ3頭とアオバセセリです。いきなり何てぜいたくなスターが揃ったのでしょう。それも一直線状に止まっています。何か液体がこぼれてそれを舐めに来ているようでした。



木の階段の横には植栽されている植物が並んでいます。その1つに夏の女王ともよぶべきレンゲショウマがつぼみをつけていました。お盆過ぎには開花するでしょう。



森林館より森林セラピーロードと名付けられたウッドチップの道を行くと、三頭大滝に出ます。吊り橋からよく眺められるようになっています。



この吊り橋は滝を見るために造られたようで、この先には道がありません。
吊り橋からは大変古い植物のヤマグルマを見ることができます。この時期は若い実が付いています。



滝を過ぎると沢沿いの山道になります。可憐なタマガワホトトギスが咲き始めていました。もう雄しべは花粉を出していなくて、雌しべには花粉が付いていました。



ヤマアジサイはもう花が終わって装飾花だけが付いていましたが、タマアジサイは咲き始め、クサアジサイの花は見頃でした。





御岳ロックガーデンにも多いヒカゲミツバもたくさん咲いていました。



夏の花、ギンバイソウはもう終わりかけていました。数少ない花にハナカミキリが訪れて花粉を食べていました。



三頭沢だけでなく、三頭山全域の草本は大変豊富です。シカよけのネットも数ヶ所で張ってありますが、柵の内外でそれほど植生に大きな差はありません。それでたくさんの花を見ることができて大変嬉しいです。

沢の水がなくなると間もなくムシカリ峠です。峠の手前からムシカリ(オオカメノキ)が多くなります。この時期は真っ赤な実をつけていますね。



この実は赤いうちは未熟で、熟すと黒っぽくなります。以前試しに食べてみましたが、お世辞にもおいしいとは言えない味でした。

ムシカリ峠を過ぎ、山頂へ向かう尾根道にはシモツケソウが見頃です。ここのシモツケソウはピンク色でなく、白っぽい色でした。



尾根沿いにはリョウブが満開で甘い匂いを漂わせていました。花に蜜が多いらしく、多くの虫が集まっています。これはキイロスズメバチ。



三頭山にはいろいろなカエデがあり、おそらく紅葉の時期は大変美しいと思います。多くのカエデの1つで、カエデとは思えないような葉っぱをしているヒトツバカエデもあちこちで見ました。その実は何と上に向いています。



山頂を過ぎるとホツツジが多くなりました。今がちょうど見頃です。



林床にはナガバノコウヤボウキが咲き出していました。夏から秋の花が少しずつ咲き始めています。季節は常に巡っていますね。



この後、ポツポツと雨が降り始めやがて雷雨になったので、そそくさと下山し帰途に着きました。

三頭山のシカ食害が少ないことにほっとしました。
これ以上広がらないことを祈ります。

信州入笠山8/1

5年以上行っていなかったら、入笠山のマイカー規制が始まっていました。スズランの咲く春から紅葉の秋までです。富士見町の方から入ると沢入駐車場からは登山道を歩くしかありません。ロープウェイの山麓駅まで戻ればいいのですが、この日は1時間ほど歩いて登ることにしました。

カラマツ林の中を道はゆっくりと登っていきます。



あちこちにオレンジ色のきのこが出ていました。何とタマゴタケです。



登山道沿いに花はほとんど見られませんでした。たぶんシカのせいでしょう。

入笠湿原が近くなったら、シカ避け柵の入口がありました。予想してはいましたが、やっぱりありました。この柵は湿原全体を取り囲んでいます。



柵を越えてしばらく行くと入笠湿原に出ました。やっぱり色とりどりの花が咲き乱れています。この時期には薄ピンク色のチダケサシと薄紫色のクガイソウが目立ちます。



そして入笠といったらやはりヤナギランです。



ヤナギランにはオナガアゲハが吸蜜に来ていました。羽化したばかりなのか、とてもフレッシュな姿が美しいです。



湿原にはシラカバやズミが点在し、カラフルな花が咲き出していました。



オミナエシとシシウドです。





ピークはあと2週間後位でしょうか? サワギキョウ、クサレダマ、ヒヨドリバナなどがつぼみでした。



湿原を一通り見た後、そこから歩いて10分位の所にある昔のスキー場に向かいました。ここもシカ柵で周囲を囲まれています。



こちらはヒヨドリバナが満開でした。



そしてヒヨドリバナには優雅なアサギマダラが・・・。いつ見ても絵になる風景です。



ここの草原にはキキョウ、カワラナデシコ、コオニユリなどが咲いていますが、なぜか不自然な感じです。草刈りした後に植えた様な感じ。





もしかすると、シカ柵を設置する前に多くを食べられてしまい、やむなく柵を設置して花の咲く植物を植栽したのではないでしょうか?

入口にいた係員の方に聞いていました。やっぱり私の予想が当たっているようです。柵設置前は相当食べられたのでしょう。入笠山は花の百名山として知られています。そこから花が無くなったら観光客が激減するでしょう。ここを生活の場としている人にとっては死活問題です。

ただし、柵の高さが低くて時々シカが入り込んだり、ネットに角を引っかけてしまったりするようです。私も他で経験しているので、ネットを見た瞬間に予想していました。高さは最低でも2mなくてはいけないし、目はもっと細かくなければならないのです。予算との兼ね合いで今の柵があるのかも知れませんが、せっかく設置するなら効果の高いモノが欲しいですね。

前回、入笠山を訪れたのは5年以上前ですが、マイカー規制もシカ食害も記憶にありません。シカ食害はあちこちで予想以上にひどい状況です。シカの個体数を大幅に削減したり、シカ肉の流通を真剣に具体化することをすぐにでも始めなければ、各地で植物が絶滅したり、それを食草とする昆虫にも多大な影響が出るでしょう。



プロフィール

荘司たか志(登山ガイド、森林インストラクター)

Author:荘司たか志(登山ガイド、森林インストラクター)
職業: クラブツーリズム(株)あるく登山ツアーガイド、
ネイチャーガイド・フォーゲル代表
URL: http://vogel2011.web.fc2.com/

あちこちの山や里山を歩き、そこで見た自然情報を掲載します。
自然好きな人、これから自然のことを知りたいと思っている人は、是非ご覧いただき、コメントをお送り下さい。

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