御殿場線の谷峨駅で下車し、すぐ背後にそびえる大野山へ向かいました。谷峨駅で降りたのは私1人。平日ということもありますが、かなり閑散としています。
東名高速の下をくぐり、酒匂川の吊り橋を渡って舗装道路を登っていきます。冬が近くなると飛ぶ白っぽい虫がたくさん見られました。俗に言う雪虫(ワタムシ)です。無理矢理手袋で押さえつけて撮影しました。

冬の妖精に思えますが、正体は何とアブラムシ! これを話すとがっくり来る人が多いですね。
この辺りの雑木林は良く整備されていて、気持ちの良い林が続いています。紅葉も見頃で、とても美しい景観です。


紅葉している樹木はカエデの他にカマツカがあります。この木は派手さはありませんが、地味な薄ピンク色が上品で好きです。葉の下に真っ赤な実を付けています。

一方、ツルウメモドキの実は目立ちたがり屋です。ピンク色の仮種子とそれを包む黄色い果皮のコントラストが高く、鳥においでおいでをしています。

同じく目立つ実はクサギです。こちらは紺色の実と真っ赤な萼の組合せ。この時期の葉っぱはそれほど臭くありません。

それに対して同系色なのがマユミです。この時期になるとあちこちにピンク色の実をたわわに付けていて、こんなにたくさんマユミがあったのかと驚かされます。

大野山の南斜面には神縄断層が走っています。プレート境界の有名な断層で、フィリピン海プレートに乗って500万年前にぶつかった丹沢と、同じプレートに乗って後でぶつかった島との境界できています。そんな衝突の現場だったのですね。
素人の私にはその現場を見てもよくわかりませんが、このタマネギ石はそれと関係あるのでしょうか? 岩石の風化によってできたと言われていますが。

それにしても面白い形をしていますね。下りの途中にもこんなタマネギ石がありました。

さて、この日は曇ですが、遠くの景色はよく見えました。山頂付近で撮影した南側です。

右から金時山、矢倉岳、明神ヶ岳です。うっすらと海も見えていました。そして北側は

丹沢湖と大室山、菰釣山など西丹沢の山々がよーく見えます。
そしてもちろん西側には富士山も。愛鷹山も見えます。

大野山は山頂付近に牧草地が広がる草原の山です。道路が山頂まで伸びているので一般観光客も訪れますが、展望に恵まれ麓の林が美しい素晴らしい山です。