山を歩いたり自然の中に身を置くことが好きな人に参考となるような情報を発信いたします。

花の三ツ峠山(2012.6.27)

御坂山地は富士五湖の北側に東西に延びる山の連なりです。
三ツ峠山はその中で2番目に高い山で、河口湖の北側に位置しています。
河口湖からバスが出ていて、比較的容易に登ることが出来ますし、とても花が多いので人気があります。
7月のカルチャー講座の下見のために1年ぶりに訪れました。

梅雨の合間の晴れ間は、暑くもなく寒くもなく、爽やかな風が吹いてとても気持ちの良い山歩きが楽しめます。
今回は三ツ峠登山口からのコースで、最高峰の開運山を往復しました。

登り始めは

ミズナラ林

ブナやミズナラの林です。このコースは一部でカラマツの人工林がありますが、それ以外ほとんど自然林でとても美しいです。山頂に山小屋が3軒あるためか、車でも上れる幅広い道ができてて、花を観賞しながら歩きやすくて都合が良いです。

ミソサザイ、キビタキ、オオルリ、ソウシチョウ、コルリの美しい声も、エゾハルゼミの大合唱にかき消されています。

何種類ものキイチゴがありました。そのうち普段見慣れないのがこれ。

クロイチゴ

クロイチゴです。ナワシロイチゴに似ていますが、花序も葉っぱもずっと大きいです。葉っぱの先が尖っているのも違いの1つです。

ヤグルマソウ

ヤグルマソウも咲き出していました。葉っぱも大きいですが花も巨大です。花が重すぎて頭を垂れていますね。

ミヤマガマズミ

この白い花はミヤマガマズミです。秋には真っ赤な実がたくさん成るでしょう。

ミヤママタタビ

この花はミヤママタタビです。葉っぱが白くお化粧されている株もありましたが、この株は白くありませんでした。猫にマタタビと言いますが、ミヤママタタビは効かないようです。

ヤマブドウ

これは何でしょう?

実はヤマブドウの雄花です。この植物は雌雄別株ですので、この株は実りません。虫が集まっていましたが、あまり香りはしませんでした。

トリガタハンショウヅル

ハンショウヅルの白花かと思ったら、トリガタハンショウヅルという別の植物です。初めて見ました。

ユキザサ

これはユキザサです。似た植物にオオバユキザサというものがありますが、オオバの方は雌雄別株のようです。写真の植物は両生花でしたのでユキザサで良さそうです。

山頂が近づいてきました。草原が見えます。

草原では

アヤメ

アヤメが咲き始めていました。まだつぼみの株もたくさんあります。

ヒオドシチョウ

なわばりを構えているヒオドシチョウがあちこちで飛んでいます。まだ羽化したばかりなのか、とても綺麗です。

ようやく山頂が見えてきました。

開運山

三ツ峠山という名前の山はなく、3つの山の総称です。この写真はその1つで最高峰の開運山(1785m)です。
東側・南側が絶壁になっているのが良くわかります。

ヤマツツジ

富士山も見えてきました。ヤマツツジの花も見頃です。

ドウダンツツジ

ドウダンツツジです。大きな株があちこちに見られました。

そして

山頂

ガレ場の山頂です。富士山が近いですね。

西の方を見ると、2軒の山小屋と御坂山地の連なりがよく見えます。

山荘と御坂山地

手前の高い山が御坂山地最高峰の黒岳、その右の尖った山が釈迦ヶ岳、その左側の遠くに鬼ヶ岳などの山々が望めます。

東側はこんな感じです。

杓子と御正体

右側が杓子岳、左の奥が御正体山です。(この写真は山頂から下りたところで撮影しました)

6月の平日とあって山頂には他に2パーティしかいませんでしたし、彼らもすぐに下りてしまって独占です。

この後は登った道を引き返しました。登山口から更に三ッ峠入口まで延々林道を歩かないとバスがありません。いささかイヤになりましたが、途中で

サンショウバラ

ご褒美としてサンショウバラの花にも出会いましたし

河口湖と富士山

山頂からは見えなかった河口湖が望めました。

6月下旬の三ツ峠山は夏ほどではありませんが、それでもたくさんの花に出会えました。シカの食害もほとんど見られませんでした。

カルチャー講座はまだ3週間先です。その頃にはもっと花が咲くでしょう。

そして8月17日(金)にはフォーゲルのツアーもこのコースで行います。8月中旬だとレンゲショウマなど、夏の花がたくさん咲いていることでしょう。ご参加をご希望の方は以下をご覧下さい。お申し込みをお待ちしています。
http://vogel2011.web.fc2.com/tourpage/plan/2012/mitsutouge0817.pdf




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愛川の里山ツアー(2012.6.26)

6/11に下見をした愛川町の里山でツアーを実施しました。

場所は尾山耕地と八菅神社の2箇所です。八菅神社は6/11のブログを参照していただくとして、ここでは尾山耕地の様子をご報告します。

八菅山と中津川に挟まれた田園地帯、それが尾山耕地です。ここはあいかわ自然ネットワークhttp://aikawasizen.net/が活動している拠点です。5年前にこの会が主催した観察会に参加して、この素晴らしい里山を知りました。その後、新しい道路が出来て当時の素朴な雰囲気はやや失われましたが、今でもごらんのように魅力的な場所です。

尾山耕地

ほとんどの田んぼでは田植えが済んでいて、農作業をする人の姿はほとんど見られませんでした。

ここにはたくさんの生き物が暮らしています。

コオイムシ

これは何だと思いますか?

実は、背中に卵を乗せて歩くコオイムシ(子負虫)です。姿が見えませんが卵を乗せているのは雄で、なぜか日があたる目立つ場所でじっとしている個体をたくさん見つけました。温度を上げて孵化を促進しているのでしょうか?

コオイムシと同じカメムシの仲間で

ミズカマキリ

ちょっと見づらいですがミズカマキリです。田んぼの底にシルエットが写っていて、本体より見やすいかも知れません。

トンボでは、

モートンイトトンボ

ちょっと珍しいモートンイトトンボ雄です。
このトンボは稀少な種ですが、ここにはたくさんいました。

参加者の帽子に止まっているのは

コオニヤンマ

サナエトンボの仲間のコオニヤンマです。羽化したばかりなのかとてもきれいな黄色と黒のコントラストと、粋な黄色い線がアイラインのように顔の正面を横切っています。このトンボも数多くいました。

そして小動物を狙う

シマヘビ

シマヘビが上手な泳ぎを見せて穴に潜りました。たくさんのオタマジャクシとカエルの幼体がいたので、シマヘビにとっては天国のような場所でしょう。

田んぼの生き物さがし

ツアーとはいっても、こんな感じで生き物さがしに興じました。

すぐ近くを中津川が流れています。

中津川

この水の多さと色は尋常ではありません。この上流に宮ヶ瀬ダムがあるので、たぶん台風4号やその後の低気圧の時に大雨が降って貯水が多くなりすぎたために、ダムを放流しているのでしょう。こんな中でもアユ釣りをしている人がいるのには驚きました。

5年前の観察会では、この川には行って水生昆虫を探したのですが、これでは無理です。

尾山耕地を一周して八菅橋に戻りました。この後神社を往復してツアーは終了しました。

梅雨の晴れ間でしかも湿度が低いとあって、とても爽やかな天気でした。

こんな日の里山歩きは最高でした!




小雨降る愛川町の里山(2012.6.11)

厚木市の北に愛川町があります。

宮ヶ瀬湖から流れ出る中津川の近くにあり、町には素朴な里山景観が残されている場所があります。

4年前に現地の人が開催してくれた観察会に参加した経験があり、それを生かしてツアーを実施する予定であり、その下見のため小雨の中を歩いてきました。

中津川にかかる八菅橋が起点です。まず最初に八菅神社へ向かいました。

半鐘

入口に半鐘がありました。町指定の重要文化財になっているとのことです。

しばらく行くと急な階段からなる参道が続いています。迂回する道もあるのですが階段を直登しました。

社叢林

両側の太い木はスダジイです。

平塚西部丘陵にある鷹取山にはスダジイの他にタブノキがありました。大磯の高来神社も同様です。しかし愛川町は少し内陸に入っているせいかタブノキがありません。それにしても立派なご神木です。

この神社のさらに上には展望台がありましたが、天候が良くなかったせいもありあまり良い眺めではありませんでした。

この一帯は神奈川県の自然環境保全地域に指定されています。山を下りそのすぐ下にある水田地帯を訪れました。
この辺りは尾山耕地と呼ばれています。

田んぼと獣柵

山側には獣害避けの柵が張り巡らされていました。地元の人に聞くと猿避けだそうです。猿なら簡単に乗り越えられそうだと思い聞いてみると、実際に乗り越えているとのことです。でもイノシシには有効そうです。

水田には

シュレーゲル卵塊

シュレーゲルアオガエルの卵塊がありました。このカエルは繁殖期以外、森の中で過ごすため、柵が移動の邪魔にならないか気になりましたが、網の間から移動できるのでしょう。

水田のしきりにコンクリートを使っていますが、農道側が土なので移動障壁にはならないし、産卵にも支障がなさそうです。

水田

水田はこんな感じで続いています。この日には田植えをしている人とその準備をしている人がいて活気がありました。水田の中を覗き込んでみるといろいろな虫が見られます。

オタマジャクシ、ヒメガムシ、コオイムシ?。そして

コガムシ

これはコガムシです。

4年前の観察会では、卵を背負ったコオイムシやモートンイトトンボなど、いろいろな生き物が見られました。まだ健在のようで嬉しくなりました。しかし

新しい道路

この道路は昨年春に完成したものです。4年前には反対運動をしていましたが、やはりできてしまったのです。交通量は少ないので、田んぼを削ってまで本当にお金を掛ける意味があったのか疑問です。それに水田に住むヘイケボタルが減少してしまったようです。


道路の完成はとても残念でしたが、昔の生き物が息づいています。
この景観は、この辺りではここでしか見られません。

フォーゲルは6月26日(火)にここでツアーを行います。

http://vogel2011.web.fc2.com/tourpage/plan/2012/aikawa0626.pdf

じっくりご覧になりたい方はぜひご参加ください。

とても良いところですよ。

丹沢山宿泊ツアー

フォーゲルで初めて宿泊ツアーを丹沢山で実施しました。

宿泊地は丹沢山の山頂にある、みやま山荘です。この山小屋はこの時期の週末は大変混雑するので、日曜日に宿泊する日月の2日間で実施しました。

しかし、初日の天気予報は無情にも雨。当初ヤビツ峠から表尾根を登り、塔ノ岳から丹沢山へ行き、2日目に塔ノ岳へ戻って大倉尾根を下山する予定でしたが、表尾根には鎖場があるため悪天時の登りを避けるため、大倉尾根から上ることにしました。

しかし、この日は丹沢ボッカ駅伝という行事があって、会場となる大倉尾根は大変な人出。バスも大混雑で多難なスタートです。幸運なことに雨は上がり、曇の中での登山開始です。

後ろから来るランナーを避けつつ、気にしながら上ったため、駅伝ゴールの花立山荘まではほとんど写真がありません。唯一、この植物ですが

ナツトウダイ

トウダイグサ科のナツトウダイです。これがわんさか群落になっていました。
トウダイグサ科の植物は茎を折ると白い汁が出てきて、これに触るとかぶれます。東丹沢に多くて植物を根こそぎ食べているシカも、この植物は嫌いなのでしょう。

その植物を食べている張本人の

シカ

シカです。堂々としていて人が近くにいても逃げません。口笛を吹いて気を引こうとしましたが、チラッとこちらを見ただけでどこ吹く風。急斜面にいたのでやって来られるなら来てみろ、という感じでした。

日当たりの良い斜面には、とても小さな

フデリンドウ

フデリンドウが咲いていました。風が強いせいなのかここのフデリンドウはとにかく小さいです。
この植物は小さすぎてシカに食べられないのでしょうか。

森の中には

シロガネソウ

シロガネソウがたくさん咲いていました。キンポウゲ科のこの花は毒でもあるのでしょうか。

さて、この時期の主役といえば、

紅白ツツジ

ピンクのトウゴクミツバツツジと真っ白なシロヤシオです。紅白の競演をご覧下さい。
今年は4月初めまでとても寒かったのですが、それ以降の高温で花が一気に咲いてしまい、例年なら花盛りのシロヤシオが終わりかけていました。

トウゴクミツバと新緑

トウゴクミツバツツジはまだ花盛りで、あちこちで素晴らしい花を咲かせていました。

塔ノ岳を過ぎると実に静かな山道です。トウゴクミツバツツジ、クワガタソウ、シロガネソウ、シナノキ、ハウチワカエデなどの植物を観察しながらのんびりと歩いて、丹沢山に着きました。丹沢山の山頂にある

山小屋

これがこの日の宿、みやま山荘です。収容30名のこぢんまりした山小屋です。
到着後、しばらくしたらにわか雨が降り出しました。本当に今日はラッキーでした。

翌日は上天気です。ごらんのとおり

富士山

富士山もばっちりです。梅雨入り前なのに、こんなに素晴らしい天候に恵まれるなんて。参加された方は強運の持ち主なのでしょう。こんな日の稜線歩きは最高です。

稜線散歩

富士山をはじめ、遠くは南アルプス、大菩薩の峰々、奥秩父、八ヶ岳などが眺められ、最高の気分です。
左右の柵が美観を損ねていますが、シカから植物を保護するためには必要です。

柵の中と外は大きな差があります。

柵の中

笹の高さが全く違うのです。一目瞭然ですね。柵を設置して何年経つのかわかりませんが、これだけの差が付いてしまいます。シカの圧力が如何に高いかわかりますね。

のんびり前方の塔ノ岳を目指します。

塔ノ岳

塔ノ岳から西に延びる稜線はこんな感じです。一番左が塔ノ岳、一番右が鍋割山です。

塔ノ岳から鍋割山

さらに北の方へ目を移していくと

檜洞丸

檜洞丸が鎮座し、その左遠方には南アルプス、右には八ヶ岳が屏風のように眺められます。胸のすくような景観です。

歩いている稜線がブナ林で、ブナにハウチワカエデやシナノキ、それにとシロヤシオ、トウゴクミツバツツジなどが多く、林床は笹で覆われています。しかし

稜線のブナ林

ブナは大気汚染の影響を受けてか元気がないのが気がかりです。若木や実生はツツジ類などは多いですがブナは見当たりません。更新が上手く行っていないようです。ツツジ類はシカが食べないのでしょう。ブナが育たないのはシカのせいだけでなく、温暖化が関係している可能性があります。なぜなら太平洋側で軒並み上手く行っていないからです。

その林床には

ワチガイソウ

このワチガイソウやマイヅルソウが可憐に咲いていました。
振り向けば

丹沢山と蛭が岳

昨夜泊まった右の丹沢山と左奥の蛭が岳が見えます。蛭が岳は丹沢最高峰ですね。もちろん神奈川県の最高峰でもあります。

塔ノ岳でしばし休憩した後、表尾根を下りました。

カマツカ

カマツカがもう咲きそうです。これが白い花を付けると華やかになるのですが。

スノキ

スノキは咲いていました。酢の木と言われるだけあって葉っぱを食べると実に酸っぱいです。参加された方にも賞味していただきました。

メギ

刺だらけのメギです。これは目木と書き、葉っぱや樹皮などを煎じて目薬にした植物です。刺が鋭いので、間違ってもつかんではいけません。

この他、サラサドウダンやヒメウツギなどが稜線で咲いていました。

烏尾山から烏尾尾根を下り大倉まで下山しました。
林道にはニシキウツギ、ウツギなどが華やかに咲いていて飽きることはありません。

無事大倉に着き、バスで渋沢駅へ戻って、ツアーは終了しました。

ここには書きませんでしたが、ずっと野鳥のさえずりに囲まれ、花や展望も十二分に楽しめ満足しました。

参加された方にお礼を申し上げます。ありがとうございました。

この後、宿泊ツアーは以下のように続きます。どちらも花の百名山で、素晴らしい花が楽しめますよ。

読者の皆様もぜひご参加ください!

6月30日(土)~7月1日(日)平標山
http://vogel2011.web.fc2.com/tourpage/plan/2012/tairappyou0630.pdf

8月4日(土)~8月5日(日)火打山
http://vogel2011.web.fc2.com/tourpage/plan/2012/hiuchi0804.pdf








プロフィール

荘司たか志(登山ガイド、森林インストラクター)

Author:荘司たか志(登山ガイド、森林インストラクター)
職業: クラブツーリズム(株)あるく登山ツアーガイド、
ネイチャーガイド・フォーゲル代表
URL: http://vogel2011.web.fc2.com/

あちこちの山や里山を歩き、そこで見た自然情報を掲載します。
自然好きな人、これから自然のことを知りたいと思っている人は、是非ご覧いただき、コメントをお送り下さい。

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