山を歩いたり自然の中に身を置くことが好きな人に参考となるような情報を発信いたします。

忍野の裏山・高座山、杓子山(2012.8.26)

富士山麓、忍野の裏に高座山、杓子山があります。

三ツ峠山からみると、富士急線が通っている低地の向かい側に見える山々です。

高座山は定期的に山焼きを行っている草原状の斜面が魅力的。杓子山はその奥にブナ林を抱えています。

鳥居地峠からスタートしました。

目指す高座山

少し進むとすぐに草原に出ます。ここから最初に目指す高座山がよく見えました。

季節柄、ススキの穂が出ていて秋の風情が感じられます。

日当たりの良い草原には初秋の花が咲き乱れています。

カワラナデシコ、ツリガネニンジン、タチフウロ、コウゾリナ、ユウガギク、・・・

イブキボウフウ

このセリ科の花はたぶんイブキボウフウです。よく枝分かれしてたくさん花を付けていました。

オトコエシ

オミナエシの仲間のオトコエシです。

ススキの穂と富士山

振り向けば、どでかい富士山。麓に広大な演習地が広がっています。この日も鉄砲や大砲の音が頻繁に聞こえてきました。

広大な草原

高座山の南斜面はこのように草原状ですが、これは山焼きをしているからです。日本では放置するとほとんどの場所で森林に変わっていきますが、草を利用したり山菜を取ったりなどするため、日本人は古来から草原を維持してきました。いまその文化があちこちでなくなってきていますが、ここでは脈々と受けつがれているようです。

草原は日当たりがよいので初夏から秋にかけて次々と花が咲いています。秋の七草に登場するススキ、オミナエシ、ナデシコ、キキョウなどは全て草原に咲く花です。いま草原があちこちで姿を消しているので、そのような植物の多くと、幼虫の時にこれらの植物の葉を食べるチョウは絶滅の危機に瀕しています。

ユウスゲ

レモンイエローが美しいユウスゲです。この花は夕方咲き始めてよく日の朝花を閉じてしまいます。

オミナエシと富士山

黄色が美しいオミナエシです。

秋と言えばアカトンボ。アカトンボにもいろいろ種類があって

ミヤマアカネ

これはミヤマアカネです。成熟すると雄は真っ赤になります。

草原の横にある急な登山道を登ってきました。

広大な草原

南アルプスの山々も望め、素晴らしいながめです。

ほどなくして高座山に到着です。

ここから先は森の中です。杓子山に向かって登っていきます。

ママコナ

ピンク色のきれいな花はママコナ。寄生植物だそうです。

アサギマダラ

ヒラヒラと優雅に飛び、花に止まって蜜を吸っているのは浅葱色をしたマダラチョウの仲間のアサギマダラです。花が多いのでチョウも多いです。

森の中にも花はたくさんありました。フシグロセンノウ、ソバナ、レンゲショウマ、そして

キバナアキギリ

キバナアキギリと

レイジンソウ

レイジンソウなどです。サラシナショウマやタムラソウはまだつぼみでした。
杓子山までは急な登りがあり、ロープ箇所がありました。そして

杓子山山頂

ついに杓子山山頂に着きました。1600mを少し欠ける高さです。

眺めはとても良く、山中湖や箱根・伊豆半島の山々まで望めました。

ここから先はそれほど急な登降はなく、最高峰鹿留山まではのんびり歩きでした。

ブナ林

次第にブナが出てきて太い木も見られます。

鹿留山山頂には

ミズナラ巨木

巨大なミズナラも。素晴らしい林でした。

鹿留山からは来た道を少し戻り、分岐から立ノ塚峠を経て忍野村の中心部、平野の集落へ降りました。

ツルフジバカマ

日当たりの良い場所にあったツルフジバカマです。


今回のコースは前半の草原と後半の森。あちこちに咲く花と富士山などの展望の良さ。アップダウンがちょっときつい所もありますが、これらが詰まった魅力的なコースでした。シカによる食害を心配していましたが、ほとんど感じられませんでした。

このコースのツアーは9月22日(催行決定)と28日に予定されています(コード番号25752)。
http://tour.club-t.com/vstour/WEB/web_tour3_tour_tmp.aspx?p_baitai_web=TO22&ToCd=TD&p_from=800000&p_company_cd=1002000&p_course_no2=25752&p_baitai=990&x=28&y=13

ご参加ください。

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花の百名山・根子岳(2012.8.21)

長野県菅平高原の夏はラグビー合宿のメッカ。この日は関東学院大学をはじめ、いろいろな大学の学生を菅平で見ました。あちこちにラグビーグランドがあって、さすがだと思いました。

そんな彼らを尻目に、峰の原高原から登山開始です。

牧場と根子岳

菅平の背後にある根子岳の西斜面は大変なだらかです。そのためか、広大な牧場が広がっています。その西側から登る今回のコースはきつい登りこそありませんが、なかなか景色が変わりません。

湯の丸高原

南の方を見ると浅間山の西側に連なる山が見えています。東西篭ノ登山、湯ノ丸山、烏帽子岳などです。後を振り返ると

北アルプス

北アルプスの鹿島槍・五竜・唐松・白馬三山が一部雪を頂いているのが見えます。

牧場が終わると花が増えてきました。

ワレモコウ

ワレモコウと

ツリガネニンジン

ツリガネニンジンと

コオニユリ

コオニユリと

マツムシソウ

マツムシソウと

ミヤマコウゾリナ

ミヤマコウゾリナです。この他、ヤマハギもずいぶんたくさん咲いていました。
花が多いのでチョウも多く

クジャクチョウ

クジャクチョウと

ベニヒカゲ

高山蝶ベニヒカゲとヒョウモンチョウSp.などが見られました。

その先も花の出現は続き

オヤマリンドウ

オヤマリンドウと

オオバギボウシ

オオバギボウシと

ウメバチソウ

ウメバチソウと

トモエシオガマ

トモエシオガマなどの花が見られ、

コケモモ

コケモモは赤い実を付けていました。

志賀高原方面

小根子岳山頂に着きました。遠くに見えるのは志賀高原です。横手山、白根山、本白根山がよく見えています。

根子岳と四阿山

振り返れば根子岳とその背後にそびえる四阿山です。

ここから一登りして

根子岳山頂

本日の目的地、根子岳山頂に着きました。ばんざい!

四阿山

日本百名山・四阿山はさすがに重厚な姿です。

花の百名山・根子岳とのコンビはとても良いのですが、行程が長くなるので本日はここで別ルートを経由して菅平に下山します。

下山開始

その別ルートを下り始めました。菅平牧場へ向かいます。

ヤナギラン

火の草ヤナギラン(Fireweed)がきれいです。和名は柳のような葉と蘭のような花から来ています(実際にはランではありません)が、英名は実態を表しています。つまり、山火事が起きたような日当たりの良い場所に真っ先に侵入して花を付けるのです。

イブキジャコウソウ

イブキジャコウソウの群落がありました。伊吹山に多くてジャコウの匂いがするということですが、平地にある同じシソ科のジャコウソウと同様ほとんど匂いがしません。

夏の終わりに現れるチョウの1つ

キベリタテハ

黄色い縁取りのスカートをはいた貴婦人キベリタテハです(雄だったらごめんなさい)。
このチョウの幼虫はダケカンバやシラカバの葉を食べるので、それらの木が多い場所にたくさんいます。初秋の山登りの楽しみの1つですね。

下山口

菅平牧場に下山しました。
ここからは根子岳を通らず直接四阿山に登るコースもあるようです。

根子岳はさすがに花の百名山だけあって、とても花の多い山でした。

このコースは9月2日(催行決定)、10日(催行決定)、13日にクラブツーリズムのツアーでご案内いたします(コース番号25877)。

その頃には花が多少入れ替わっていると思います。
花の百名山に花を見に行きませんか?







花いっぱいの東篭ノ登山

浅間の西方にある黒斑山と、さらに西方にある湯ノ丸山の中間に、篭ノ登山があります。
2つのピークからなり、東篭ノ登山、西篭ノ登山と呼ばれています。
また東篭ノ登山の東には水ノ塔山という山もあり、高峰温泉から一登りできるコースが設定されています。

この日は高峰温泉から水ノ塔山→東篭ノ登山→池の平→地蔵峠のコースを歩きました。

登山口

登山口にはよくある看板がここにもありました。
「クマ出没要注意」の看板です。

この看板はここ10年位の間に1回でも出現すると出されると聞いたことがあります。
日本列島にはクマが数万~数十万頭も生息しているのですから、出現するのは別に珍しいことではありません。自然の豊かな所に来ているわけですから、いて当たり前と考えなければなりません。

全く気にせず登っていくとすぐにたくさんの花が目に入ってきました。

ハクサンオミナエシ

ハクサンオミナエシ(別名コキンレイカ)です。きれいですね。

シャジクソウ

あまり見かけないマメ科の花です。調べるとシャジクソウ(車軸草)という植物でした。典型的な花は車軸のように放射状に咲くようです。

シラタマノキ

白い実をつぶすとサロメチールの匂いがするシラタマノキです。本当にすごい匂いがしますよ。

クジャクチョウ

あちこちで咲いているマツムシソウには、かなりの頻度でクジャクチョウが訪花していました。これでもか、というくらいこのチョウであふれていました。

稜線

これから登る水ノ塔山(右)と東篭ノ登山(左)です。南側(左側)の斜面は崩落して植物の生育できない場所が点在しています。これが変化のある環境を作り出していて、植物の種類が大変多いように思いました。

ミヤマヒゴタイ

トウヒレンの仲間のミヤマヒゴタイです。

エゾリンドウ

こちらはエゾリンドウ。オヤマリンドウとの区別がやや難しいです。

イワインチン

イワインチンです。妙な名前ですね。葉っぱがカワラヨモギに似ていて、カワラヨモギがインチンヨモギとも呼ばれているから、そのインチンをもらったとのこと。名前の由来は複雑です。フー。

東篭ノ登山に着きました。素晴らしい眺めです。

西篭ノ登山

手前は西篭ノ登山、ずっと奥は四阿山と根子岳のはずですが、雲で見えません。
来た道を振り返ると

黒斑山

大きな黒斑山と麓の高峰温泉、そして黒斑山の背後に浅間山がちょっと見えています。

しばし展望を楽しんだ後、池の平の方に下りました。

ハナイカリ

花が碇の様な形のハナイカリ、

シラネニンジン

セリ科の花(シラネニンジンかイブキボウフウ)、

ホツツジ

ホツツジと

ミヤマホツツジ

ミヤマホツツジ(めしべが曲がっている)と

花いっぱい

とにかくたくさんの花であふれていました!

池の平

池の平はとても広い湿原で、色々な花が点在していました。

今回のコースではシカの食べ跡をほとんど見ませんでした。

いつまでもこの花が咲く自然が残っていて欲しいと思いました。

9月5日と8日にクラブツーリズムでこのコースのツアーを行います(コード番号25758、どちらも催行決定)。

2週間あまり後なので花はだいぶ入れ替わっていると思いますが、きっとまだたくさん咲いていることでしょう。





浅間隠山(2012.8.20)

上州の国からみると、この山のおかげで浅間山が見えない、という理由で浅間隠山というありがたくない名前をもらっている山があります。

この山は浅間山の北東方向にあり、標高1757mとまずまずの高さですが、登山口の二度上峠周辺は標高1340mほどあるので、標高差は400mほどの手軽に登れる山です。

登山道はカラマツの人工林とミズナラの二次林が主体です。

登山道

林床には笹が覆っていて、花はちょっと少なめです。それでも

ヤマジノホトトギス

ヤマジノホトトギスや

フシグロセンノウ

フシグロセンノウなどが咲いていました。

笹が途切れると

タムラソウ

アザミに似ている、このタムラソウやキオン、ツリガネニンジンも咲き始めていました。

山頂近くには草原が広がっています。

お花畑

この写真に写っているシシウドの他、クガイソウ、ワレモコウ、マルバダケブキ、トモエシオガマなどがいっぱい。お花畑が広がっていました。初秋の高原を彩るマツムシソウも蕾が多かったですが、一部咲き始めていました。

アキアカネ

避暑に来ていたアキアカネは真っ赤に成熟して涼しくなるのを待っています。もう下界に下りる準備ができつつあるようです。

山頂

山頂に着きました。やや狭い場所です。日陰がないのでタオルを被って休憩している人がいます。
眺めはとても良く、浅間山や榛名山、赤城山、そして

鼻曲山

変わった形の鼻曲山が近くに見えていました。

山頂付近の草原は、かつての採草地の名残でしょう。このまま放置すればいずれは森林になっていく場所です。私たちは先人達の作業のおかげで、山上のお花畑を楽しむことができるのです。この先どうするかは皆で考えて行かなくてはならない問題ですね。

クラブツーリズムの浅間隠山ツアー(コード番号25864)は、9月11日(催行決定)、15日(催行決定)、18日に予定されています。お花畑を見に行きませんか?

夜叉神峠と高谷山(2012.8.15)

お盆で混雑する中、南アルプス北部の玄関口、芦安から夜叉神峠を経て高谷山へ向かいました。

夜叉神峠登山口には大きな駐車場があり、鳳凰三山などの登山基地となっています。ここから登り始めました。

登山道はカラマツの人工林とミズナラなどの自然林が混じる林です。林床にはいろいろと花が咲いていました。

シデシャジン

ちょっと変わった花ですね。これはシデシャジンという植物です。

マネキグサ

シソ科のこの花は手招きしているように見えるということからマネキグサと命名されています。

センジュガンピ

これはたぶん、センジュガンピというナデシコ科の花でしょう。整った形でとても美しいです。

フシグロセンノウ

夏の後半から咲き出すフシグロセンノウです。やや暗い林床にこの大きな花がとても目立ちます。

タマガワホトトギス

上品な色のタマガワホトトギスです。この花は湿ったところが好きなのですが、やや乾いている道に咲いていました。

ヒナノウスツボ

ヒナノウスツボです。漢字で書くと「雛の臼壷」であり、小さい臼のような壺型の花を意味しています。

ソバナ

これはソバナです。ツリガネニンジンやヒメシャジンと同じキキョウ科に属しています。

夜叉神峠

夜叉神峠に着きました。ガスが出ていて白根三山は見られません。とても展望の良い所なのですが残念です。

ここから道は細くなり

山頂付近の森

ミズナラやダケカンバの大木の間を縫うように進み

山頂

高谷山の山頂に着きました。樹林に囲まれている山頂です。晴れていると樹木の間から山が見えそうですが、どのように見えるのかわかりませんでした。


このコースでクラブツーリズムのツアーが行われます。第1回目は8月28日(催行決定)で、紅黄葉する秋(10月29日、11月4日)にも計画があります(コース番号25704)。秋にはカラマツが黄葉しますし、ナナカマドやカエデも多いので紅葉もきれいでしょう。ツアー当日には晴れて白根三山が見られることを期待したいです。

花の百名山・火打山ツアー(2012.8.4~8.5)

今年3回目の宿泊ツアーで新潟県の南部にある火打山へ行きました。

火打山は妙高山の裏側にある2462mの山で、中腹にいくつもの湿原を持ち花が多いので人気があります。

登山口は笹ヶ峰。中学生時代に林間学校で泊まった思い入れのある高原です。

笹ヶ峰は標高約1300mあり、登山道はブナ林を縫うように付けられています。

ブナ大木

たぶん樹齢200年を越えていると思われるブナの大木が連続していて気持ちの良い林です。ここは豪雪地帯なので、6月頃まで雪が残っているでしょう。

大きな沢(黒沢)を過ぎると登りが急になります。十二曲がりと呼ばれる急坂を登っていきます。今までこの山に4回登っていて、この場所が最もきついという記憶がありましたが、

よく整備された登山道

きれいな木の階段が整備されていて、思いのほか楽でした。2年前に整備されたようです。それでも十二曲がりを越えた後は大きな石がゴロゴロする急登が待ちかまえていました。それを何とか登り切ると富士見平です。

オオシラビソ林

この辺りは標高2000mを越え、針葉樹林帯に入っています。生えている高木はオオシラビソ、つまり蔵王などで樹氷ができることで知られる木ですね。別名アオモリトドマツと呼ばれていて、こちらの方がなじみの方も多いでしょう。

オオシラビソの林床にはミネカエデやチシマザサ(別名ネマガリダケ)が生えています。メボソムシクイやルリビタキが美しい声を響かせています。花はゴゼンタチバナやズダヤクシュ、マイヅルソウなど少なめでした。

富士見平からは条件がよいと富士山が見えるそうですが、この日は好天にも関わらず見えません。残念。

富士見平から黒沢岳の西側を巻いて、この日の宿泊地である高谷池を目指します。
次第に花が多くなってきました。高貴な名前をもらったキヌガサソウ、カラマツの葉のような花をしたモミジカラマツ、白い小さな花をしたウスバスミレ、黄色いらっぱのようなオオバミゾホオズキなどです。期待していたサンカヨウの純白な花はもう終わり、実になっていました。

火打山と高谷池ヒュッテ

森が切れたところからは火打山と焼山が見えてきました。右に見える三角屋根が高谷池ヒュッテです。
絵になる風景です。

お天気の心配がないので花を見ながらゆっくりし、ほどなくして高谷池ヒュッテに着きました。
さっそく高谷池に向かいます。

火打山と高谷池

高谷池は1つの池を示すのではなく、この付近の湿原の名称です。6年前、この湿原はピンクのハクサンコザクラで染まっていましたが、今年はもう終わっているようでした。双眼鏡で見渡してみると少しは花が残っていましたが、ほとんどありません。ちょっとがっかりです。

高谷池ヒュッテ

高谷池ヒュッテはこの湿原のすぐ近くに建っています。抜群のロケーションにありとても気に入っています。ヒュッテは3階建てでベランダからは湿原越しに火打山や焼山が望まれて、雰囲気がとても良いです。

ただし、この付近にはそのまま飲める水を確保することが難しく、キャンパーは湿原から流れる水を煮沸して使っています。小屋泊まりの人には塩素消毒した水を供給してもらえますが、あまり美味しいとは言えません。黒沢でたくさん汲んでくれば良かったと後悔しました。

夕食後、ツアーに参加された方と高谷池の畔にたたずみました。次第に夕焼けが始まり見ていて時間を忘れるほどです。

焼山の夕景

焼山は今でも噴煙を上げている火山です。夕焼けでその噴煙が赤く染まったので望遠で撮ってみました。何とも神秘的な光景です。

火打山の夕景

適度に薄雲があるせいか、空が真っ赤に染まりました。実に感動的です。

湿原から発生する水蒸気

湿原からは水蒸気がもやもや上がっていました。水温より気温が低くなって湯気のように見えてきたのでしょうか。

この日はこの後ガスが出てきて星や月を見ることができませんでした。


さて翌日です。早朝ガスで覆われていましたが、すぐに晴れて快晴です。朝食後さっそく出発です。

高谷池を回り込み少し高いところから振り向くと

高谷池とヒュッテ

こんな感じです。遠くに黒姫山が見えています。

しばらく行くと岩がゴロゴロした場所に出ます。

雪田跡

ここには遅くまで雪田が残り、今融けたばかりのせいか背の低い花が咲き始めていました。

ハクサンコザクラ群落

ありました、ありました! 高谷池でほとんど見ることができなかったハクサンコザクラの群落です。良かった。

アオノツガザクラ

こちらはアオノツガザクラです。とても小さい植物ですが、これでも樹木です。

この他、ツガザクラ、チングルマ、イワカガミ、イワイチョウなどの花が見られました。

雪は開花時期を分散させる、私たちにとってはありがたい存在です。さらに、遅くまで雪が残る場所にはハイマツがないので、高山植物の生育にとって重要です。こういう場所はハイマツにとって、必要な光合成をする期間が短すぎるからです。

お次は天狗の庭です。この写真をご覧下さい。

池に写る火打山

鏡のような池塘に火打山が写っています。とても穏やかな日だからこそ見ることができました。
天狗の庭は高谷池と同様、湿原全体を表しています。高谷池より一段高い場所にあります。

ワタスゲ群落

ここにはお馴染みのワタスゲがたくさんありました。

いよいよ山頂アタックです。植生がどんどん変わっていき、ハイマツが現れてきました。

タテヤマアザミ

これはとても分布が狭いタテヤマアザミという花です。アザミなのに葉っぱが変わっていますね。かなり個体変異が大きい植物とのことです。

ヒメシャジン

こちらはヒメシャジン。ミヤマシャジンとの区別はとても難しいらしいです。人によっては同一種と判断しています。それにしても、あちこちにあったヒメシャジンの群落は見事でした。

ウサギギク

こちらはウサギギクです。葉っぱがウサギの耳に似ているからと言いますが、あまり似ているようには見えません。

山頂直下のお花畑

このお花畑には黄色いミヤマキンポウゲと白いハクサンボウフウが移っています。

この他、マルバダケブキ、オタカラコウ、キオン、ミヤマシシウド、オニアザミ、オトギリソウの仲間、イタドリ、ミヤマカラマツ、ミヤマホツツジ、アカモノ、ナナカマドなどなど、実に沢山の花を見ることができました。

山頂手前から振り返ってみました。

天狗の庭と遠望

眼下に天狗の庭の湿原と、遠く黒姫山・高妻山・妙高外輪山などが遠望できます。

いよいよ山頂に着きました。残念ながらガスが上がってきて部分的に見えない場所がありますが、北の方には

糸魚川の町

糸魚川の町と日本海が望め、西の方には

焼山

焼山がすぐそこです。双眼鏡で覗くと硫黄色した黄色い岩が見え、そこから煙が上がっていました(写真には写ってきません)。この直後にガスで覆われて何も見えなくなってしまったので、ラッキーでした。

火打山の素晴らしい花と展望を楽しんだ後、今度は黒沢池に向かいました。

妙高外輪山と黒沢池

高谷池と天狗の庭より格段に大きい湿原が広がっています。
黒沢池は小さいのですが、その周囲の湿原の広さはすごいです。

黒沢池ヒュッテ

黒沢池にも山小屋があり、これが黒沢池ヒュッテです。キノコの形をしたとても目立つ建物ですね。

ヒュッテは湿原の外れに建っていて、ここから富士見平に通じる木道の登山道も湿原の周囲を通っています。

黒沢池周辺にて

ちょうど草刈りの最中でしたが、きれいな花を刈り残してあって、心遣いを感じました。
木道からはいろいろ植物を見ることができました。

なかでも

モウセンゴケの花

このモウセンゴケの花はあちこちにありました。初めてみましたがとても美しい花です。
食虫植物だけあって

モウセンゴケと虫

ごらんのように、たくさんの虫がくっついて身動きできなくなっていました。ちょっと可哀想ですが仕方がありません。

この他、クルマユリ、ハクサンフウロなども見られました。


富士見平からは来た道を戻って笹ヶ峰に戻り、ツアーは無事終了しました。

たくさんの花と素晴らしい湿原の数々。展望の素晴らしさ。いずれをとっても火打山はとても魅力的な山でした。

ツアーに参加していただいた方に感謝を申し上げます。

またここでツアーを実施したいと思っています。



南アルプスの尖峰・甲斐駒ヶ岳(2012.7.31)

南アルプス北部に聳える甲斐駒ヶ岳は素晴らしい山でした。

30日の晩、仙水小屋に宿泊。完全予約制で部屋は広い上、食事も美味しくて良い山小屋でした。

朝食時間は何と3:30! 今まで宿泊した小屋の中で最も早かったです。でもそれにより行程が楽になりました。

仙水峠までは暗くても緩く登っていく道で危ないところがありません。朝食を済ませて小屋を出て、仙水峠に着くとご来光にちょうど良い時間です。

ご来光

5時ちょっと前に奥秩父金峰山から日が昇りました。素晴らしい天気です。
後を振り向くと、

仙丈のモルゲンローテ

仙丈ヶ岳がモルゲンローテで赤く染まっていました。本当は白い山肌の甲斐駒や摩利支天が赤く染まるのを見たかったのですが、角度的に無理でした。

仙水峠周辺には大きな岩がゴロゴロした斜面が多く、地理学者はこれを岩屑斜面と呼んでいます。

岩屑斜面

氷河期に岩が凍結と融解を繰り返して破砕し、斜面を落下したもので、現在は安定しています。

ご来光を見て満足し、駒津峰へ向かって登り始めました。相当の傾斜です。登り初めはシラビソなどの針葉樹林帯でしたが、次第に樹高が低くなってハイマツが出てきました。花は少なめでしたが

タカネバラ

高山に咲く大輪のタカネバラが咲いていました。先日、富士山お中道で見たばかりでしたが、また会えて幸せです。

駒津峰からは痩せた尾根をアップダウンしながら甲斐駒に進んでいきます。

稜線と仙丈カール

背後に大きな仙丈ヶ岳が見えます。ここには4年前に登りました。仙丈の上の方には氷河期にあった氷河によりカール地形が明瞭に残されています。

北岳など

栗沢岳の向こうには北岳、間ノ岳、塩見岳がどっしりと鎮座しています。

今朝、小屋のご主人がお天気に関して太鼓判を押していて白山まで見えるよ、とおっしゃっていましたが、

白山など

そのとおりの天気となりました。この写真の左に御嶽山、右に乗鞍岳があり、その中央に白山がはっきりと見えるではありませんか! 胸のすくような景観です。

次第に白っぽい花崗岩が見えてきました。あちこちに

タカネツメクサ

タカネツメクサが群落を作っていました。花崗岩は鉱物の粒子が大きいため風化が激しく、土壌が安定していません。植物にとっては大変厳しい環境ですが、この植物はその劣悪な環境をうまく使っているのでしょう。

チョウジコメツツジ

こちらはチョウジコメツツジです。ちょっと変わった花ですね。移動する花崗岩の粒子を避け、安定した大きな岩の縁などに咲いていました。

ところでこの模様をご覧下さい。

面白模様1

最初に見たときは、雪玉のように石が転げてできた模様だと思っていました。あちこちにこんな模様があります。でもよく見るとそうではありません。

面白模様2

拡大してみると、どうやらこの模様はこの部分だけ岩が硬くて風化されずに残った跡だとわかりました。

たぶん地中深くで結晶成長して花崗岩ができた後、隆起する過程で別の物質が貫入してきてこの山を形成し、その後花崗岩が風化し削られた結果、硬い部分だけが表面に残ったのでしょう。とても面白い地形です。

風化地形

こんな地形もありました。花崗岩の風化でできたお地蔵さんみたいです。

これはどうでしょう?

割れた花崗岩

誰かが包丁でハンバーグ?を真っ二つに切ったような岩です。凄い力が働いているんですね。

お次はこれ。

花崗岩の割れ目

包丁で刻みを入れているようですね。
いつ落ちるかと思うと、この下に行くのがコワイですね。

次の写真の斜面の色に注目してください。

花崗岩の酸化

白い筋が沢状になっているのがご覧になれるでしょうか?

たぶん、灰色の部分の岩石は酸化してしまっているのに対して、白い部分は今でも破砕が進んでいて、酸化していないのではないでしょうか? 

この様に見てくると地形や地質はとても奥が深くて面白そうです。自分で勝手に想像しているだけですから外れているかも知れませんが。

甲斐駒山頂に行く前に、摩利支天という小ピークに立ち寄りました。

摩利支天からの甲斐駒

その摩利支天からの圧倒的な甲斐駒の眺めです。天を突くような荒々しい景観です。

それからしばらく登ると甲斐駒山頂に到着です。

イワヒバリ

イワヒバリが出迎えてくれました。

北西方向には

鋸岳と北アルプス

鋸岳の向こうに遠く乗鞍や北アルプスの峰々が屏風のように望まれ、北側には

八ヶ岳など

八ヶ岳や浅間、そして日光の山まで見ることができました。

真夏の山でこんなに見えるのは珍しいでしょう。とにかくこの上ないお天気に恵まれました。

この日は昼過ぎてもほとんどガスが上がってこない、とてもラッキーな日でした。


今回はプライベートな山行でしたが、とても居心地が良かった仙水小屋と、同じ部屋に居合わせたハイカーの方々、そして素晴らしかった甲斐駒ヶ岳はとても印象に残りました。

ちょっとハードな山ですが、いつかどなたかをご案内したいと思っています。





プロフィール

荘司たか志(登山ガイド、森林インストラクター)

Author:荘司たか志(登山ガイド、森林インストラクター)
職業: クラブツーリズム(株)あるく登山ツアーガイド、
ネイチャーガイド・フォーゲル代表
URL: http://vogel2011.web.fc2.com/

あちこちの山や里山を歩き、そこで見た自然情報を掲載します。
自然好きな人、これから自然のことを知りたいと思っている人は、是非ご覧いただき、コメントをお送り下さい。

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