寒波が来襲しました。例年クリスマス寒波と呼ばれているほどの強い寒波が、2週間早くやって来ました。
各地で氷点下の冷え込みです。今年は10月上旬位まで暑かったので、秋がとても短かったように思います。
紅葉は平地でも終わりかけ、いよいよ冬が到来しました。
そんな中を高座山・杓子山ツアーに出かけました。標高1600m位あるので、日中でも氷点下が予想されます。お天気はまずまずです。風が強くなければ良いのですが・・・。
鳥居地峠から9:40に登り始めました。大きな霜柱が立っています。最初に高座山へ向かいました。

いきなり急登があり少し小休止してパチリ。皆が見る先には・・・

もちろん富士山です。この山は富士山の展望台なのです。雪雲が富士山の頂上付近を覆っていて残念ながら山頂が見えません。
ところで、ここはどうしてこんなに眺めが良いのでしょう。

実はこの山は南側が草原状になっているのです。木がないから富士山を麓まで見ることができます。眼下の忍野の村が一望です。
ところで、日本では世界的に見ると気温が適度で雨が多いので、放置すると森になります。どうして草原なのでしょうか?
それは、この山で毎年山焼きが行われているからです。その昔、草が大切な資源だった時代が長く続きました。家屋の屋根材、すだれ、わらじ、かご、牛馬の餌、田畑の肥料、などなど。今では草はほとんど使われなくなって、草山の必要性が低くなりましたが、ここではかつての文化を守っているのです。そのおかげで夏から秋にはたくさんの花が咲き、冬にはこんな素晴らしい景色を眺めることが出来るのです。地元の人に感謝です。
さて、高座山の山頂直下はかなり急斜面です。

富士山の下にも広大な草原が見えます。これは自衛隊の北富士演習場です。この日は日曜日なので演習はお休みで、大きな音はしませんでした。

霜柱が溶けてぬかるんだ斜面をロープにつかまりながら登ります。残念ながら転んだ方もいらっしゃいましたが、全員無事頂上に到着です。ここまで約1時間で来ました。
高座山からはせっかく稼いだ高度を惜しげもなく?使い、

アップダウンを繰り返しながら進みます。
急に風が強くなってきました。西よりの大変冷たい風です。時折小雪も舞い始めました。
杓子山の登りにかかり、このまま山頂で強風に当たりながら昼食を取ることが心配になりました。

それでも空腹をこらえながら頑張って、

ようやく山頂に着きました(12:30)。幸いなことに風はほとんどありません。しかし霜柱が溶けて田んぼのような状態です。せっかくの山頂なのに、真ん中のおいしいところには座れず、みな端の方でごはんにありつきました。
この写真の右奥の方に、これから向かう鹿留山が見えています。
ここから先はアップダウンが少なく展望の良い稜線歩きです。トウゴクミツバツツジやサンショウバラが多いので、その時期(5月下旬頃?)もきっと良いでしょう。

山中湖と手前の石割山、そして箱根の山々がよく見えています。
鹿留山が近づくにつれ、大きな木が増えてきました。

ブナが多くて実が落ちていました。ミズナラも多かったのですが、実(ドングリ)はほとんど見ません。今年はブナがそこそこの出来なのに対してミズナラが不作だったようです。それにしてもここの林は美しい。
鹿留山に14時頃到着し、分岐まで戻って急斜面を下ります。
所々にロープがかかっていて岩場もある、スリルがある下りです。慎重に慎重に降りました。

人があまり見えていませんが、常緑針葉樹(ウラジロモミ)が点在する急斜面を降りきりました。
立ノ塚峠(たちんづかとうげ)に着いたのが15:30。歩き始めてもう6時間が経とうとしていました。
この後はひたすら林道を歩いてバスの待つ場所にたどり着きました。バスの運転手さんが狭い道を上の方まで運んで下さっていただいたので、その分歩く距離が短く助かりました。運転手さん、ご厚意に感謝いたします。
冬の高座山・杓子山ツアーはまずまずの天気の下で終了しました。
参加された皆様、ご苦労様でした。
なお、このツアーの下見は8月26日に実施しています。
その時の記録は下記リンクにあります。
http://vogel2011.blog.fc2.com/blog-date-20120827.html