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山を歩いたり自然の中に身を置くことが好きな人に参考となるような情報を発信いたします。

大蔵高丸ツアー(2018.7.24)

大菩薩嶺から南に伸びる尾根を小金沢連嶺、通称甲州アルプスと呼んでいます。

その尾根の一角に車で行くことができる湯ノ沢峠があり、湯ノ沢峠よりさらに南に大蔵高丸、ハマイバ丸などのピークがあります。

湯ノ沢峠からハマイバ丸界隈は標高1650~1780mあって、夏でも比較的涼しい上展望に恵まれています。

さらにこの界隈は草原状となっていて、20年くらい前までは夏になると一面に花が咲く、山上の楽園でした。

残念なのは最近のシカの急増により、15年ほど前より食害が進み、このお花畑も失われてしまいました。

私は2010年に行われた植生調査を皮切りにこの地域にかかわり始め、地元甲州市と粘り強い議論を続けてきて、2013年に湯ノ沢峠周辺に、そして翌年2014年にハマイバ丸周辺に、それぞれシカの侵入を防ぐ柵を設置していただきました。

設置後は目に見えて植生が回復してきたのですが、最初に設置された湯ノ沢峠側の柵の品質が低く、たびたび網が破られたり支柱が破損したりして、そのたびに補修を余儀なくされています。

補修までの間にシカに入られて花は食べられてしまい、柵の効果が十分に出ているとは言えません。

それに対してハマイバ丸側の柵は金属でできているために丈夫で耐久性があり、今回花がどれほど回復しているかとても楽しみでした。

甲斐大和駅からタクシーで

避難小屋

湯ノ沢峠の避難小屋まで来てここから尾根に上がります。

すぐに草原が始まり、ドアを開けて柵の中に入っていくと広い草原が目に飛び込んできて、

湯ノ沢峠の柵内

コウリンカ、ウスユキソウ、ノアザミ、ヤマハハコ、タチフウロ、そして

チダケサシ

チダケサシなどがたくさん咲いています。

これ以外にもシモツケソウやカイフウロなども咲いていて、柵の外との違いはよくわかります。

3つに分割されているうち別の柵内には

ツリガネニンジン

ツリガネニンジンやコウゾリナなどもありました。

でも一歩柵を出ると

コウリンカのみ

オレンジ色のコウリンカのみしか見られません。コウリンカはシカが好まないようです。

大蔵高丸方面へ進むと森の中に入り、

サワギク

サワギクや

シャクジョウソウ

シャクジョウソウ、

マルバダケブキ

マルバダケブキなどがちらほら見られましたが、寂しい限りです。

あちこちにシカやイノシシが歩いた跡があり、獣の密度が高いことがよくわかります。

夜になると多くの動物が闊歩しているのでしょう。

この周辺の笹は、なぜか2年くらい前から

ササ立ち枯れ

広い範囲で立ち枯れています。一斉開花結実が起こったのでしょうか。

さて、大蔵高丸を過ぎてハマイバ丸近くの草原にやってきました。

金属柵

いよいよ期待の金属柵の中に入っていきます。

ああっ!!

何という光景でしょう?!

金属柵の中1

金属柵の中2

シモツケソウがすごい

小さな写真ではおわかりにくいと思いますが、まさに百花繚乱の光景が広がっていました。予想を上回る回復ぶりです。

設置して3シーズン経つとかなり回復することが実感できました。

ため息が出る光景

ご参加されたみなさまもあまりの美しさに感動されていらっしゃいました。

特に素晴らしかったのはピンク色のシモツケソウ、薄紫のヒメトラノオ、黄色のオミナエシとコウゾリナ、オレンジ色のコオニユリとコウリンカ、白いハナチダケサシとウスユキソウなどです。

そのほか、ノアザミ、ワレモコウ、タチフウロの花もあり、さらにタムラソウ、セイタカトウヒレン、マツムシソウのつぼみもたくさんあり、他の季節にも来てみたいという声が上がりました。

再び湯ノ沢峠の方へ戻って最初の柵内を見てみると

夕方晴れてきた

かなり見劣りがしました。

湯ノ沢峠側の草原は最も広大でかつ見通しが利きやすいので、ここの柵が改良されれば本当に感動を呼ぶ光景になるに違いありません。

そうなることを夢見て

大蔵高丸を振り返る

「お花畑」の看板と大蔵高丸に別れを言ってツアーを終了しました。

ご参加された皆様、ありがとうございました。

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プロフィール

荘司たか志(登山ガイド、森林インストラクター)

Author:荘司たか志(登山ガイド、森林インストラクター)
職業: クラブツーリズム(株)あるく登山ツアーガイド、
ネイチャーガイド・フォーゲル代表
URL: http://vogel2011.web.fc2.com/

あちこちの山や里山を歩き、そこで見た自然情報を掲載します。
自然好きな人、これから自然のことを知りたいと思っている人は、是非ご覧いただき、コメントをお送り下さい。

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